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居酒屋さすらい 0704 - ロウソクの灯に - 「Django」(京都市中京区西木屋町通四条上ル紙屋町)

2013-12-16 23:21:14 | 居酒屋さすらい ◆地方版

「たつみ」を出ても夜の疾走は止まらない。どこをどうやって歩いたのか、もう道順すら分からずに、たどり着いたのは、もはやずいぶんひっそりとした古いビルだった。ついさっきまで繁華な通りを歩いていたような気がしていたが、光のトンネルを抜けて、この薄暗いビルに行き当たった。

暗い廊下はネズミの通りを思い起こさせた。その怪しげな通路を少し歩き、ちょうどビルの真ん中まできて、H部さんは止まった。

ドアの前である。

ドアやその周辺には何も目立つものはない。ともすれば、個人の家のようにさえ見える。

そう、ここが、H部さんのいう隠れ家のバー「Django」だった。

重い扉を引くと、その向こうも漆黒の闇だった。

だが、微かに点る灯に導かれて、ボクらは席に腰かけた。その灯は小さなロウソクのものだった。

 

事情も知らぬまま、落ち着かない様子でカウンターの向こうを見ると、そこにはチャーリー・ワッツがいた。

このような看板も出さないバーの店主はさぞかし偏屈な男であろうかとすこし警戒していたが、そうではなかった。

チャーリーは少しはにかみながら、微笑を浮かべていた。

 

実は、このお店で何を飲んだか、記憶にない。

シングルモルトをロックで飲んだような気もするし、ミントの香りが爽やかなモヒートを飲んだような気もする。

そしてまた、H部さんとどのような語らいをしたのか、全く記憶がない。

覚えているのは、ただただチャーリーが柔和な笑顔を絶やさずにいたことだった。

 

カウンターには多くのライブ告知が貼ってあった。

音楽関係者が多く訪れるのだろう。

これは後で分かったことなのだが、ネット上にこんな記事があるのを見つけた。

「京都ホームページ制作日記」。

 

これによると、「Django」の店主は、元ギタリストでハンガリー出身のジャンゴ・ラインハルトにちなんで店の名前をつけたとか。

なるほど。チャーリーではなく、ジャンゴであったか。

 

その後、ボクはひとり店を出て、河原町の駅へ向かった。

どこをどう歩いたのか、もう記憶にない。

秋の京都の風はひんやりと冷たく頬をつたっていく。

それはまるで音楽のような風だった。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うちに来る前に (ふらいんぐふりーまん)
2013-12-21 07:49:38
こんなに飲んでたのか・・・。
酒つえーなー、師よ。

しかし、それにしても飲み過ぎだ。

そりゃ、この後更に飲んだ数時間後、何故かルンギー履いて、周囲が止めるのも聞かず、チャリに乗って銭湯に行こうとするけど、急にテンションが下がってそのまま寝ちゃうはずだよ。(笑)

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Unknown (熊猫)
2013-12-21 10:02:12
師よ。
強くないよ。
速攻で記憶をなくしているからね。

このバーの記憶はほとんどないよ。
そして、ここからどうやってひとりで河原町の駅に行ったのかも怪しいよ。

ただ、あの電車(叡山鉄道だっけ?)で切符の回収が車掌さんによyって行われていて、それを知らずにマイペースでホームを歩き、電車を数分遅延させてしまったことは覚えてるよ。

ルンギー事件は記憶にないなぁ。
でも、師が作ってくれた特性ハイボールは本当においしかったよ。
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いやあ (ふらいんぐふりーまん)
2013-12-21 12:11:42
記憶を失くしても、何軒も行ってるのが凄いよ。俺なんかそんな状態だと間違いなく倒れるもん。

しかし、叡山電車でもやらかしてたんだな、師よ。
まあ、今時降車時に切符を回収する電車なんて走ってないからなあ。

さて、俺製ハイボール、ほめてくれてありがとう。
このハイボールの作り方については、

http://onitobi.blog20.fc2.com/blog-entry-1496.html

で紹介してるんで、良かったら師も試してみてくれ。

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Unknown (熊猫)
2013-12-21 20:11:37
1日1食ダイエット以降、飲み方が変わったよ。
何軒もはしごをするようになった。
満たされないんだね。

今回、居酒屋鬼は、掲載しないつもりだったけど、ハイボールのレシピが出てきたら、考えなきゃ。
おいしい自家製の梅干しもいただいたし。

ところで、この時一緒に行った銭湯はなんてとこだっけ?
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いやいや (ふらいんぐふりーまん)
2013-12-22 11:02:23
この時の居酒屋鬼は、大したものだしてなかったと思うから、掲載しなくていいと思うよ。

さて、一日一食ダイエットは、師がやってみた結果としては、よろしくなかったね。無理をするのはやっぱ、良くないってことだね。

なお、この時行った銭湯は、北区上賀茂にある「竹の湯」だ。あの銭湯は中々居心地がいい風呂だったね。

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Unknown (熊猫)
2013-12-22 12:33:53
そうなんだよ。
師よ。

結局,1日1食ダイエットはだめだな。
筋力落とすだけだよ。

今度はいつ、居酒屋「鬼」に行けるかな。
師の手料理が食べたいよ。
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銭湯 (ふらいんぐふりーまん)
2013-12-23 10:23:44
この時行った銭湯は、良く考えてみると竹の湯じゃなかったなと思って調べてみた。

二回にも分けて俺のブログで紹介していた記事

http://onitobi.blog20.fc2.com/blog-entry-1480.html

http://onitobi.blog20.fc2.com/blog-entry-1481.html

を読むと、十年以上ぶりで行ってみたいと師が言ったんで、修学院にある「大黒湯」を訪れてたよ。

って事で竹の湯じゃなかった。竹の湯は今年だったね。すまん師よ。

次回の居酒屋鬼は何を作るかな。またの来店をお待ちしてるよ師よ。

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Unknown (熊猫)
2013-12-23 22:04:17
師よ。
「大黒湯」だったか。
ありがとう、師よ。

しかし、師のブログのバックナンバーを改めて読み返すと、実に詳細に書いてあることに気がついた。

居酒屋鬼でヤムウンセンを食べたのはこの日だったか。
あれ、本当においしかったよ。

自分の写した画像には自家製の梅干しかなくて、肝心のアジアンフードがなくて。

ルンギー事件はとんでもないね。
申し訳ない。
でも、あの一件はまるで昨日のような気もするよ。
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