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居酒屋さすらい 1074 - もはや角打ちではない - 「Petit Konishi」(中野区中央)

2016-10-07 16:43:59 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

さて、卒業式のその晩。

「でかんしょ」で一人祝杯をあげていたところ、呼び出しのメールが来た。

会が始まっているから、すぐ来いという内容だった。

 

大学にはクラスの概念があった。

幸いなことに、クラスの結束は強かった。

いろいろな会が催されたが、その中には卒業の会があった。クラスメイトにカメラマンがおり、その彼のスタジオで記念撮影をして、卒業を祝うという主旨である。

入学から最短は3年の卒業である。ボクは卒業まで5年を費やしたので、2年間は卒業をお祝いする立場だった。

だが、この日は違った。

ボクがお祝いされる立場だったのである。

あまり、気が進まなかったが、ボクはスタジオのある中野へ向かった。

しかし、学友らと会うのはやはり楽しい時間だった。また、カメラマンから写真を撮影されるというのも刺激的経験だった。

楽しい時間が過ぎ、我々は三々五々、解散となった。


中野駅に戻る際、一軒の酒屋を見つけた。

悲しい性である。酒屋を見ると、つい店内を確認してしまう。角打ちかもしれないと。

一般的な酒屋よりも広い「藤小西」という店の中を覗くと、ぼんやりとだが、人が酒を飲んでいる様子が見受けられた。

おや?角打ちかもしれない。

ボクは反射的に店に入った。

 

中二階ともいうべき階段の上には素敵な空間が広がっていた。

いや、それはもう角打ちと呼ぶレベルのものではなく、バーだった。

 

ボクが階段に向かうと、店員は「もうドリンクのラストオーダーですが」と聞いてきた。

まだ22時を回ったばかりじゃないか。

いや、そうだ。ここはバーではなく、酒屋だった。

 

「えぇ、一杯だけいただきます」。

そうやって、ボクはカウンターにポジションした。

 

豪勢なメニューだった。

まるでフレンチ、イタリアンたった。

マリネ、レバーパテ、パスタ、生ハムなどなど。

メニュー質量とも角打ちのそれではなかった。

 

ボクは店員さんに、おすすめの白ワインを頼んだ。

しばらくして、冷えた白ワインが運ばれてきた。

店員は銘柄を呟いたが、ききとれなかった。

閉店が迫り、ボクは少し焦ってワインを飲んだ。

 

これが角打ちか。

フレンチやイタリアンも真っ青である。

 

「今度はフードもいただきます」。

ボクは店員にそう告げた。

 

だが、店は、2016年8月をもって閉店した。

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