「光栄軒」のエキスが持続するのは約2週間。それがきれてしまうと、禁断症状に喘ぐことになる。
3週間ぶりの「光栄軒」。いや、厳密にいえば、11日ぶり。2月終わりの土曜日に出掛けてみたが、混んでいて入るのをやめたことがあった。その日以降、ずっと落ち着かない日々が続いたが、ようやく「光栄軒」にうかがうことができた。早い時間に行けば、空いているだろうと踏んで、直帰できる機会をうかがっていて、この日は17時25分に着座。マスターが優しく迎えてくれた。
たまに見かけるお皿洗いのお兄さんが、賄いを食べており、まずはその光景で驚いてしまった。
さて、どうするか。実は、前回訪問時はお腹がはち切れそうになるくらい食べて飲んでしまったので、攻め方をあれこれと研究をしてきた。そのイメージは、まず最初に「紹興酒」(400円)と「きゅうりのからし炒め」をオーダーし、お通しと一緒に攻め込むという戦略である。果たして、首尾よくいくかどうか。
最初につまみをオーダーするか否かは、実はまだ自分の中ですっきりと整理できていない。ひざげりさんは、「お通し」を待つ、とアドバイスをくれたが、やはりあてをあてにしているというのも、どうかなと思ってしまう。ただ、自分の後から入店してきた先輩方も、やはり「お通し」オンリーのスタートだった。
ともあれ、今回ははじめに思い描いたように、「紹興酒」常温と「きゅうりのからし炒め」をオーダーした。
やがて、「紹興酒」とともに出てきたのが、このお通し。
目玉焼きがダブル、マカロニサラダ、そして冷やしトマト。トマトは1個まるごと。トマトとて、決して安くはないのに。
しばらくすると、「きゅうりのからし炒め」が、出来上がり、カウンターに置かれると、その隣にもう一皿、「冷奴」。
きゅうりの皿をとって、早速いただこうとすると、その「冷奴」も自分の「お通し」とのこと。え?まじか。いやはや。ありがたくいただくきます。
かくして、自分のエリアには、「目玉焼きダブル」と「きゅうりのからし炒め」、そして「冷奴」の3皿が広げられることになった。
「冷奴」といっても、ただの「冷奴」ではなかった。なめ茸がオンされているのだ。これが抜群に旨かった。なめ茸と豆腐がこんなに合うとは!ちなみに、「冷奴」は、自分の好みである。マスター、知ってたのかしら。
しかし、この「冷奴」で、次のプランが崩れたのも事実だった。計画では、「紹興酒」は一本だけにしておき、「お茶割り」(400円)に移行しようと考えていた。計3杯飲んで帰ろうと思っていたから。けれど、「冷奴」の登場で、3杯だけでは申し訳ないと思い、「紹興酒」を追加した。
テレビは夕方のニュースが流れ、元日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏が変装してクルマに乗り込むシーンを繰り返し、映している。
マスターは、手が空き、ニュースを見ながら、そのシーンを論評する。そろそろ出るかな、下ネタ。しかし、待てど暮らせど、下ネタは炸裂しない。こっちから、仕掛けるべきか。「ゴーンさん、保釈されて、今夜何するんですかね」とか。しかし、こちらが、仕掛ける前に、4人組の客が来店し、にわかに忙しくなった。
「お茶割り」2杯を立て続けにお代わりし、最後は「半炒飯」にて〆。しかし、いつもより、盛りがいい。これで、「半炒飯」とは。
またしても、マスターの下ネタはお預けとなったのである。マスターの下ネタが聞ければ、真の常連かも。まだまだ修行は続く。
マスターに
「下ネタ話してあげましたか?」
って聞いたら
「まだ時間が早かったからヘソまでしか降りなかったよw」
との事です。
へそ止まりでしたか。あと少しだったのに。次回に期待です。