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居酒屋さすらい 0641 - 日曜日のろくでなし - 「丸源」(墨田区江東橋)

2013-05-10 21:30:17 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

夏の陽光を思わせる陽射しが降り注ぎ、雨の気配など微塵も感じさせない天候だった。入念な準備運動をして、プレイボールの声を聞くのを待つだけと思い、空を仰ぐとあっという間に黒い雲が広がりはじめ、試合開始とともに雨が降り始めた。
その雨はみるみる激しくなり、1回表の相手の攻撃が終わるのを待たずして、降雨コールドゲームとなった。
関東甲信越地方は前日に梅雨入りしていた。
その洗礼を受けた形なのだが、驚くことに1時間もすれば、また元の青空に戻っていた。
この不思議な通り雨に、いくらかもやもやとした気持ちを抱え、昼間酒を求めて錦糸町のろくでなしが集う立ち飲み屋に、わたしは向かっていた。

「丸源」。
休日には赤鉛筆を耳に挟み、「勝ち馬」を抱えたろくでなしたちでごった返す立ち飲み屋。錦糸町では、「若どり」と双璧をなす立ち飲み屋だが、圧倒的に「丸源」の方が繁盛している。
案の定、店は超満員。カウンターはもはや肩を寄せ合い、ダークになりながら、酒をあおっている。初老のおっさんが集う丸テーブルに入れてもらい、瓶ビール(450円)と「煮こみ」(350円)の食券をおばさんに渡した。

店の中は高揚としていた。恐らく、午前中のレースでは負けないか、トントンか、とにかくメインレースにはある程度の余裕をもって臨もうという空気が感じられた。負けが込んで、最終レースに全てを賭けるギラギラとした痺れるような目つきの男はいなかった。
ウインズ、いや場外馬券場とあえて言わせてもらうなら、この雰囲気は珍しかった。浅草の立ち飲み屋「安兵衛」はピリピリとしたクダを巻く連中は必ずいたし、川崎だって、殺気立った粟立つような感覚を感じたこともある。
「丸源」の雰囲気は悪くはなかった。高揚感すら店内にあふれていたかもしれない。

瓶ビールはアサヒスーパードライ。「煮こみ」はさすが、場外馬券場の店らしく、研ぎ澄まされている。これだけで、同店の繁盛ぶりがうかがえる。

今日の東京競馬場の馬場は重いか、それとも良好か。先ほどのお湿りがどのように影響したのか。わたしにはもう関係ない。
もう競馬はやめたのだ。
テイエムオペラオーがわたしに年間黒字を達成させてくれ、わたしはきっぱりと競馬をやめた。更には、サイレンススズカの事故は競馬とは一体なんなのだという課題をわたしに与えてくれた。

チューハイ(250円)と「まぐろブツ」(350円)の食券を買いに行こうと券売機に向かったが、僅か2m程度の距離が難儀だった。店は満員電車並みに混んでいる。
「丸源」には魚のメニューが多い。
「ハタハタの煮付け」「アジのたたき」(350円)。
錦糸町の名物魚屋「魚寅」が近くにあるからだろう。

日曜日の昼間から酒を飲むろくでなしたち。
そこにわたしがいる。

負けた奴と勝った男がきれいにコントラストする場外馬券場の街。
そして、その酒場の野郎ども。

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