
近江八幡市には、2度ほど来たことがあったが、街の中心部は初めてのこと。適度に寂れた、地方都市である。
懇親会が終わり、さて立ち飲みでも探すかとホテルを後にした。それにしても、もはやお腹がいっぱい。懇親会では、ガチ中華と紹興酒をさんざんいただき、ダイエットモードが一気に吹き飛んだ。これ以上食べられないんだけど、悲しき性。どうしても立ち飲みを探す習慣が抜けない。
ひとまず、近江八幡駅に向かうか。駅前はなければ、アウトだろう。そう思い、夜の静かな街を歩いていると、スマホが鳴った。BザイのO部長から。ちょっと飲まないかという誘いである。
O部長と合流し、駅へ向かった。駅前なら、何かあるだろうという淡い期待である。果たして、駅前はそこそこ開けていた。幾つかの居酒屋は開いていたし、駅の向こう側には、大きなショッピングモールも見えた。けれど、立ち飲みらしき店はなかったし、大衆的な食堂や町中華もなかった。
駅の小路を抜けると、洒落た店が見えた。ガラス張りのバルである。ワインバルと書かれた店はちょっと飲むには、ちょうどよさそうだ。
店に入ると、カウンターは席が埋まっていた。我々は、テーブル席についた。
ワインは好きだが、相変わらずよく分からない。するとO部長が赤ワインを素早く頼んだ。つまみには、「ナッツ」、そしてボクが頼んだ「ピクルス」が並べられた。
店員さんが、「ワイン」の銘柄を読み上げてくれたが、O部長の手前、メモするわけにもいかず、すっかり分からない。しかも、たらふく紹興酒を飲んだ後では、口の中が麻痺して、味ももう分かったものではなかった。ただ、残念だったのは、オーダーした赤ワインが空ける寸前で、O部長とボクのグラスには、明らかに違う量が注がれた。
一瞬、「え?」とも思ったけれども、ボクは何も言えなかった。
O部長とは、音楽の話題で盛り上がった。特にお互い熱を帯びたのが、今公開している映画「ボヘミアン・ラプソディ」。
「見たいな」と思っていたら、O部長も同じことを思っていたらしい。
なんか、だいぶ酔ってきたのか、久々に「クイーン」のアルバムでも聴きたくなってきた。お互い、そんな気持ちになったのが、可笑しかった。
結局、もう一杯だけ飲んで店を後にした。二杯目のワインの際、マスターから、小さなパンの差し入れがあった。
そのパンはほどよく、うまかった。
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