
「京橋に行ってごらんよ。立ち飲みいっぱいあっから。」
「やまと屋」で会ったおっさんにアドバイスされて、ボクは京橋へと向かった。一度だけ、京橋駅は乗り換えで使ったことがある。駅前にど~んと立ち飲みがあったことを覚えている。その京橋にようやく行くことが叶う。ボクはちょっと嬉しかった。
JR京橋駅を降りると、駅前の立ち飲み屋はもう開店していた。のっけからすごい。まずは、この町がどのくらいすごいか、散策を試みる。
駅の周囲は居酒屋ばかり、立ち飲みもかなりの数がひしめいていたが、いかんせん14時過ぎに開いている店があまりなかった。これは極めて失望した。てっきり、京橋もジャンジャン横丁のように、全開モードだとばかり思っていたのだ。
中には、座飲みで開いている店もあったが、やはりここは立ち飲みに行くしかない。駅前に戻り、店に入ろうとすると、立ち飲みが2軒あることに気づいた。
「まつい」と「まるふじ」。
どちらも串かつの店。東の人間としては、どちらがいいか分からず、甲乙つけがたい。まごまごしていても埒が開かず、ボクは「まるふじ」に入ることにした。
画像の写真は駅側の外観だが、商店街側の外観が面白い。ラブホテルにあるようなペラペラのビニールのカーテンがついている。こんなの東京ではみたことがない。そこから、店内に入り、まずは「酎ハイ」を頼んだ。ただ、プレーンの「酎ハイ」がなく、「レモンハイ」をオーダー、ついでに「どて焼き」を頼んだ。
青ねぎがたっぷりとのった褐色の「どて焼き」。
しかし、何故に大阪人は「どて焼き」が好きなのか。あの甘ったるい味付けの何が、大阪人の魂を揺さぶるのか。
立ち飲みのカウンターが木ではなく、ステンレスかアルミか分からないが、銀色の材質だったことも驚かされた。なんとなく落ちつかないのだ。
店は開店が早かった。正体の知れないおっさんが入ってきて、串かつを2,3本食べたかと思うと、小銭を払って店を出ていく。そんな立ち飲みに、文化の違いを見た。
ボクも串かつを数本いただき、「レモンハイ」をお代わりして店を出た。
恐るべし大阪。その懐の深さに、ボクはただただ、圧倒されている。
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