
D栄広告を出て、時計を見ると5時9分だった。
今日はもう店仕舞い。
会社に電話して直帰とした。
しかし、このままウチに帰るのももったいない。
梅雨が明けない東京は湿度が高く、うだるような暑さだ。
一杯飲んで喉を潤したい、そんな気分に見舞われる。
そういや、駅の東口側に立ち飲み屋が何軒か軒を連ねていたっけ。
足は自然と恵比寿銀座に向かっていた。
駅を背にして右側に一軒、その先30mくらいにもう一軒。この通りに立ち飲み屋が並ぶ。
まず右側の一軒を覗いたが、お客はまだ誰もいなかった。次に、左側の店を冷やかしてみると、中から猿が発するような奇声が聞こえる。怖くなったので、また駅の方に戻って、右側の店に入ってみた。
建築現場の足場のようなものが、中の内装にも組まれている。
ウェアハウスのような店内。中は暗く、ドラムンベースの重低音が店内に流れている。
入り口手前がカウンター、奥は少し広いスペースになっていて、グループ客用の樽テーブルが幾つか置かれている。
わたしは、入り口手前に陣取り、まずは生ビールを注文したのだった。
はて、つまみを何にしようか、カウンターに置かれたメニューリストを取り上げると、大きく表記された店名が目に飛び込んできた。
「バリ鳥」。
そうか、これが噂によく聞く、「バリ鳥」か。
噂というのは他でもない。
怪鳥から聞いた話しによれば、「バリ鳥」は立ち飲み屋にも関わらず、ニューエラのキャップを横にかぶった小僧らばかりが集っているのだという。言わば小僧系の立ち飲み屋なのだという。
確かに、店内に響き渡るドラムンベースはちょっとうるさい。
幸いか、わたしの他に客の影はなく、わたしはひとり同店のHappy Hourを独り占めできるのである。
生ビールが300円。
早速注がれた生ビールのジョッキをあおると、バイスビールのような味わいが口の中に広がった。
サントリーモルツだ。
これが300円なら安い。
ジョッキはおおぶり。350mlは余裕で入っている。
店には、わたしと店員が1名。
店員は作家、フランキー・リリーさんのような顔立ちで飄々と店の準備をしている。
すると、次の瞬間、フランキーは無愛想にカウンターの向こうから、取っ手が直角に付いている鍋をわたしに向けた。
「お通しです」という。
その突然の行動と見慣れない鍋に、それをどう扱っていいかと、少し躊躇するとフランキーは静かに鍋をカウンターに置いたのだった。
鍋には生キャベツが入っていた。
キャベツをポリポリとかじりながら、生ビールを一気に呷ってしまった。生ビールをすかさずお代わりした。ついでにつまみとして「かしわ」(230円)と「豚バラ」(300円)を頼んだ。
目の前で焼いてもらうのは随分と気持ちがいいものだ。
煙に乗って香ばしい香りが鼻につく。
頭上のテレビを見上げると、顔面に絆創膏を貼った男が大写しになっている。
赤城徳彦農林水産大臣(当時)が顔の絆創膏について釈明を求められている。なんだか、おかしな映像だ。
フランキーも手元の鶏をさばきながらテレビ画面を覗いている。
しばらくして、ようやく頼んだ鶏が手元に供された。
実は大きく、歯ごたえも充分。素材も決して悪いものではないことはすぐに分かったが、いかんせんこの値段はちと高い。
ヒップホップな小僧らはブルジョアだな。
3杯目の生ビールを飲み干してお勘定してもらった。
これだけ頼んでたったの1501円。
結局、わたしが居る間、お客はひとりも現れず。怪鳥の情報によると「8時頃から混むよ」という。
逆に「そんな時間から飲める奴はあまりいない」とも。
いやいや、日本のサラリーマンよ!Happy Hour」をしっかり活用すべし。
街に繰り出せば、きっといいことがあるはずだ。
わたしなんか、いつも早帰りだからネ。
今日はもう店仕舞い。
会社に電話して直帰とした。
しかし、このままウチに帰るのももったいない。
梅雨が明けない東京は湿度が高く、うだるような暑さだ。
一杯飲んで喉を潤したい、そんな気分に見舞われる。
そういや、駅の東口側に立ち飲み屋が何軒か軒を連ねていたっけ。
足は自然と恵比寿銀座に向かっていた。
駅を背にして右側に一軒、その先30mくらいにもう一軒。この通りに立ち飲み屋が並ぶ。
まず右側の一軒を覗いたが、お客はまだ誰もいなかった。次に、左側の店を冷やかしてみると、中から猿が発するような奇声が聞こえる。怖くなったので、また駅の方に戻って、右側の店に入ってみた。
建築現場の足場のようなものが、中の内装にも組まれている。
ウェアハウスのような店内。中は暗く、ドラムンベースの重低音が店内に流れている。
入り口手前がカウンター、奥は少し広いスペースになっていて、グループ客用の樽テーブルが幾つか置かれている。
わたしは、入り口手前に陣取り、まずは生ビールを注文したのだった。
はて、つまみを何にしようか、カウンターに置かれたメニューリストを取り上げると、大きく表記された店名が目に飛び込んできた。
「バリ鳥」。
そうか、これが噂によく聞く、「バリ鳥」か。
噂というのは他でもない。
怪鳥から聞いた話しによれば、「バリ鳥」は立ち飲み屋にも関わらず、ニューエラのキャップを横にかぶった小僧らばかりが集っているのだという。言わば小僧系の立ち飲み屋なのだという。
確かに、店内に響き渡るドラムンベースはちょっとうるさい。
幸いか、わたしの他に客の影はなく、わたしはひとり同店のHappy Hourを独り占めできるのである。
生ビールが300円。
早速注がれた生ビールのジョッキをあおると、バイスビールのような味わいが口の中に広がった。
サントリーモルツだ。
これが300円なら安い。
ジョッキはおおぶり。350mlは余裕で入っている。
店には、わたしと店員が1名。
店員は作家、フランキー・リリーさんのような顔立ちで飄々と店の準備をしている。
すると、次の瞬間、フランキーは無愛想にカウンターの向こうから、取っ手が直角に付いている鍋をわたしに向けた。
「お通しです」という。
その突然の行動と見慣れない鍋に、それをどう扱っていいかと、少し躊躇するとフランキーは静かに鍋をカウンターに置いたのだった。
鍋には生キャベツが入っていた。
キャベツをポリポリとかじりながら、生ビールを一気に呷ってしまった。生ビールをすかさずお代わりした。ついでにつまみとして「かしわ」(230円)と「豚バラ」(300円)を頼んだ。
目の前で焼いてもらうのは随分と気持ちがいいものだ。
煙に乗って香ばしい香りが鼻につく。
頭上のテレビを見上げると、顔面に絆創膏を貼った男が大写しになっている。
赤城徳彦農林水産大臣(当時)が顔の絆創膏について釈明を求められている。なんだか、おかしな映像だ。
フランキーも手元の鶏をさばきながらテレビ画面を覗いている。
しばらくして、ようやく頼んだ鶏が手元に供された。
実は大きく、歯ごたえも充分。素材も決して悪いものではないことはすぐに分かったが、いかんせんこの値段はちと高い。
ヒップホップな小僧らはブルジョアだな。
3杯目の生ビールを飲み干してお勘定してもらった。
これだけ頼んでたったの1501円。
結局、わたしが居る間、お客はひとりも現れず。怪鳥の情報によると「8時頃から混むよ」という。
逆に「そんな時間から飲める奴はあまりいない」とも。
いやいや、日本のサラリーマンよ!Happy Hour」をしっかり活用すべし。
街に繰り出せば、きっといいことがあるはずだ。
わたしなんか、いつも早帰りだからネ。
けっこう、おやじもいるんじゃないかねぇ。
中目黒はどうか分からないけれど、恵比寿はいるような気がするよ。
しかし、バリの意味は分からない。
お店関係者のコメント求む!
しかししかし、やっぱり直帰できる機会がなかなか無いと行けません(涙)。いっつも5時から新橋で飲んでるサラリーマンを見てると、なぜ可能なんだ?!
って思いますが・・・熊猫刑事さんも?!
オヤジ度低かったら、店内でオヤジ狩りされたりね。しかも、お金を盗られるんじゃなくて、つまみとかで。
「おい、盛り合わせ頼んでこいよ~」みたいな。
まき子さん。
さすがに5時前はオフレコですよ。
あとは想像にお任せします。これは会社の人も読んでいるんですから。
以前、浜松町で働いていたとき、出先から会社に帰る道中に「秋田屋」がありました。4時頃から飲んでいるサラリーマンがけっこういましたねぇ。多分、今もいるんでしょうけれど。
何なんですかねぇ。羨ましい。
明るいうちに飲むビールって何故かうまいんですよねぇ。
ハッピーアワー、活用しましょうよ。
大金が動く営業ならなおさらだね。
でも、新橋や神田で飲んでいるおっさんは大体冴えないねぇ。
大金動く仕事には見えないけれど、でも実は凄かったりして。
名前につられて入りそうになりましたが、店が決まってたのでまた今度イクベと思ったの。そっか、立ち飲み屋さんだったのか。
UDXにもあるんですね、バリ鳥は。
こりゃ、また客層がどうんあ感じなのでしょう。
UDXには「味噌汁居酒屋」なる店舗が入ってます。非常に気になる今日この頃。
akainuさんは、どんなお店に行かれたのでしょうか?