
アメ横の立ち飲みは全て制覇したつもりだった。
ただの1軒を除いては。
ただの1軒というのは「スタンディングコーナー」のことである。
店の前を通り過ぎること数十回、どうしても店には入れなかった。
入りづらい雰囲気というのもあるが、「たきおか」や「カドクラ」と違って、あまり魅力的な店には映らなかったからである。
だが、今日という今日は店に入るぞという気持ちでアメ横に向かう。
それは、正直言って義務感の何者でもない。
アメ横の立ち飲みを制覇するという。
「スタンディングコーナー」。
何ともシンプルで、飾り気のない店構え。
建物はモダンで一見、スタンドバーには見えない。
だが、扉を開くと、そこは実にバーらしい空間がそこにあった。
いや、バーというと少し気取ったようなイメージだが、この店はそんな気取った風でもない。ざっくばらんと言ってしまっていい。
飲み物はカクテル類が多く、バーの装いといったあんばいだが、酒肴は「たこぶつ」や「豚キムチ」など、おっさん的立ち飲み屋の様相を呈している。
生ビールをもらった。
ビールはモルツ。値段は370円。
つまみは「肉づめピーマン」。
この酒肴が、手作りでホントにうまかった。
お店はおばちゃんが一人で切り盛りしているのだが、ともすればこのおばちゃんが、料理の仕込までやっていそうな雰囲気である。
しかし、立ち飲み屋で「肉づめピーマン」を出す店って聞いたことがない。できれば、余り酒肴には手数をかけたくないというのが店側の本音であろう。
だが、この店はお客が喜ぶものを出そうという気概が見える。
それは、ドリンク類にも表れている。
生ビールを飲み干して、メニュー表を眺めてみると「スタンハイ」(300円)という文字が目に付いた。
ラリアットが出てきそうな名前が気になり、おばちゃんに「スタンハイ」のことを尋ねてみた。
「ウィスキーのハイボールに梅酒を加えたもの」という答えが返ってきた。
この自ら、飲み物を提案し、開拓していこうという気概がまたいい。
これこそ、酒場の本来の姿ではないだろうか。
わたしは、その姿勢に感動し、「スタンハイ」を頼んだ。
これがまた、実に爽やかでうまかった。
猛暑の夏には、こうした爽やかな飲み物が実にいい。梅酒の酸味と甘みが、この初夏のジメジメした空気を清清しいものにしてくれる。
つまみはポテトサラダ。
このポテサラも秀逸だった。まさにグレート手作り!マヨネーズばかりに頼った味付けじゃなく、素材を大切にした風味を引き出している。
「スタンハイ」をお代わりした。
おばちゃんの手つきが手馴れたもので、目にもとまらない早業である。
店の雰囲気は悪くはなく、店内は4、5人の客が物思いにふけりながら、銘々が酒を飲んでいる。
テレビがないから酔客の声がさんざめく。
だが、その囁きも妙に心地よい。
気取っていないが、少し瀟洒。
そんな酒場だが、実は2010年をもって閉店されてしまった。
良心的ないいお店が消えていく事実。
立ち飲み激戦区アメ横といえども、それは少し寂しい気もする。
ただの1軒を除いては。
ただの1軒というのは「スタンディングコーナー」のことである。
店の前を通り過ぎること数十回、どうしても店には入れなかった。
入りづらい雰囲気というのもあるが、「たきおか」や「カドクラ」と違って、あまり魅力的な店には映らなかったからである。
だが、今日という今日は店に入るぞという気持ちでアメ横に向かう。
それは、正直言って義務感の何者でもない。
アメ横の立ち飲みを制覇するという。
「スタンディングコーナー」。
何ともシンプルで、飾り気のない店構え。
建物はモダンで一見、スタンドバーには見えない。
だが、扉を開くと、そこは実にバーらしい空間がそこにあった。
いや、バーというと少し気取ったようなイメージだが、この店はそんな気取った風でもない。ざっくばらんと言ってしまっていい。
飲み物はカクテル類が多く、バーの装いといったあんばいだが、酒肴は「たこぶつ」や「豚キムチ」など、おっさん的立ち飲み屋の様相を呈している。
生ビールをもらった。
ビールはモルツ。値段は370円。
つまみは「肉づめピーマン」。
この酒肴が、手作りでホントにうまかった。
お店はおばちゃんが一人で切り盛りしているのだが、ともすればこのおばちゃんが、料理の仕込までやっていそうな雰囲気である。
しかし、立ち飲み屋で「肉づめピーマン」を出す店って聞いたことがない。できれば、余り酒肴には手数をかけたくないというのが店側の本音であろう。
だが、この店はお客が喜ぶものを出そうという気概が見える。
それは、ドリンク類にも表れている。
生ビールを飲み干して、メニュー表を眺めてみると「スタンハイ」(300円)という文字が目に付いた。
ラリアットが出てきそうな名前が気になり、おばちゃんに「スタンハイ」のことを尋ねてみた。
「ウィスキーのハイボールに梅酒を加えたもの」という答えが返ってきた。
この自ら、飲み物を提案し、開拓していこうという気概がまたいい。
これこそ、酒場の本来の姿ではないだろうか。
わたしは、その姿勢に感動し、「スタンハイ」を頼んだ。
これがまた、実に爽やかでうまかった。
猛暑の夏には、こうした爽やかな飲み物が実にいい。梅酒の酸味と甘みが、この初夏のジメジメした空気を清清しいものにしてくれる。
つまみはポテトサラダ。
このポテサラも秀逸だった。まさにグレート手作り!マヨネーズばかりに頼った味付けじゃなく、素材を大切にした風味を引き出している。
「スタンハイ」をお代わりした。
おばちゃんの手つきが手馴れたもので、目にもとまらない早業である。
店の雰囲気は悪くはなく、店内は4、5人の客が物思いにふけりながら、銘々が酒を飲んでいる。
テレビがないから酔客の声がさんざめく。
だが、その囁きも妙に心地よい。
気取っていないが、少し瀟洒。
そんな酒場だが、実は2010年をもって閉店されてしまった。
良心的ないいお店が消えていく事実。
立ち飲み激戦区アメ横といえども、それは少し寂しい気もする。
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