三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

一転して油麩

2012-08-07 23:10:41 | こんなものを食べてみました。
〈7月22日の食事〉
朝:メゾンカイザーのクルミパン コーヒー
昼:油麩の卵とじ丼 油麩とワカメの味噌汁
夜:鴨ハムいろいろ 枝豆 大葉のジェノバソースのせバゲット 箕面ビールW-IPA

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この日、徹底的に鴨ハムを楽しんだ。
同時にいただいた枝豆も並び、Oさんブレゼンツな食卓である。
鴨ハムオンリーの特集は機を改めて書くため、今回は別の話を。

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この前日に訪れた「テマヒマ展」では、僅かながら物販もしていたのである。
そこで目に留まった、宮城の「油麩」。
これはまた同時に、ものつくりフィルムにて、作る過程を追っていた製品なのであった。

実はそれまで、麩はそれほど好きな食べ物ではなかった。
その理由は、実家での登場率が低く、お馴染みの食べ物ではなかったこと。
そしてある定食屋で食べた、麩を鍋仕立てにしたものがどうにも薄味で美味しいとは言えず、親しみを覚えるには不十分だったからだろうと考える。

ところが、ものつくりを追った映像というのは偉大だ。
小麦粉を洗って練って抽出されたグルテンを、更に練って揚げて仕上げてゆく…という行程を見るにつけ、とても魅力的に思えてきた。
特に、コロコロ油の中でひっくり返しながらじっくり揚げて茶色になっていく様なんて、可愛らしいほどである。

この作品の終盤には、油麩を使って作られた料理が映し出された。
鶏肉の代わりに油麩を煮て卵でとじた、親子丼のような丼。
俯瞰で登場した画面に、胃がぐうと反応する。
これは作らなきゃ、と思った。

そういう訳で油麩を買ったものの、パッケージにはおすすめの食べ方こそ記述されど、作り方は書いておらん。
手探りで作ることにした。

お麩というものは、なんせ水気を吸って膨張するもんである。
直径5センチほどのそれを、まあこれだけ小さくしとけば平気だろうと目論み、厚さ2センチほどのいちょう切りにした。
それにしても、切り口がザクッとしているうえパン粉のような破片が散らばるこれが、タンパク質の塊だなんて不思議だなあ。

炒めるものではないような気がして、野菜類をひたひたの出汁醤油で煮る際に並べて煮ていった。
火が通ったら、あとは親子丼よろしく溶き卵でとじるばかりである。

見た目も殆ど親子丼の油麩丼を、早速食べてみよう。
もっとふわふわ・ぼわっとした歯応えかと思いきや、予想外の弾力性。
こりゃあ食いでがあるぞ。
どの肉とも、大豆製品とも似ていないが、タンパク質特有の腹ごこち。
ボリューム感がしっかりあり、味気なさは全くない。

なんだ、美味しいじゃないか、麩ってやつは。
それどころか、味の染み具合が抜群。
そうか、しっかり味をつけておけばよかったんだ。

麩に対する無関心は一転、一気に好ましい食材へと躍り出た。
出会い方は大事だし、興味を持たせる糸口というのも大切だ、と思い知った次第。
さて、残りの油麩で今度は何を作ろう。

テマヒマを目と舌で

2012-08-07 00:06:48 | 行きました。
〈7月21日の食事〉
朝:ヨーグルト
昼:ひき肉野菜炒め丼 もやしのナムル 緑茶
間食:味噌黒米餅 抹茶 @寅屋 ミッドタウン店
夜:燻製ビール 卵の燻製 燻製kitchenサラダ ホタテの燻製 ベーコン スモークチーズ @燻製kitchen 五反田店

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私が好きそうな催しであると教えてもらっていた、東京ミッドタウンは21_21 design sightで行われている「テマヒマ展」。
展示開始から数ヵ月を経て、ようやく行って参りました。

「テマヒマ展」とは、東北の食と暮らしにスポットライトをあてた展示会である。
会場には地域に根付いた工芸品や食べ物がずらりと並べられ、それだけでも圧巻なのだか、なんといってもものづくりフィルムが素晴らしかった。
特に興味をひかれたのは、福島のマタタビの籠・ザル作りと、青森のリンゴ箱作りである。

前者。
まずはマタタビの蔓の皮を櫛のような形状の包丁で剥ぎ、材料として仕立ててから編み込んでゆく。
その過程が、すべて膝から腿にかけて覆われた厚手のエプロンの上で成されるのだ。
時には蔓の節目が引っ掛かり、包丁を持つ手が勢いあまって脚を傷付けてしまうこともある。
血がうっすらと滲むエプロンに、こちらは息を飲んでしまうが、当の翁はものともしない。
ただ黙々と編むばかりで、その手つきはとても鮮やかで、所作が美しい。

後者。
収穫されたリンゴを入れるもので、時おり都内の雑貨屋でも収納ケースとして見かけていた無垢の木箱。
これは、こんなリズミカルに作られていたのだな。
30歳前後の方なら覚えていよう、90年代にストンプっていうアート集団がいたでしょう、デッキブラシで床を擦ったりして音を出すパフォーマンスをしていた。
まさにああいった、スタンスタンといった軽やかなリズムで作られていたのだ。
素朴な箱の様からは想像できず、大変意外であった。
しかし、作業の早いこと。
会場の中庭にこれが3メートルほど積み上げられていたのだが、一日に一人で作れてしまうんではないだろうか。

こういった映像が丁寧な作りで、ナレーションなしに続いていく。
過剰に語られないから、より実像を目の当たりにしているように思える。
本当にいいフィルムたちであった。

満足して会場をあとにし、同じくミッドタウンの敷地内にある寅屋のカフェへ。
「テマヒマ展」とのコラボレーション商品があると知り、そりゃあまあ食べるでしょうよ、と相成ったのである。
私がいただいたのは、「味噌黒米餅」。
秋田の味噌あんを岩手の黒米で作られた餅でくるんだという、展示内容にリンクした商品。
私が味噌味に弱いことを差し引いてもとても美味しく、一口一口大切に食べた(いやあ、小さかったもので…)
これ、限定ではなく定番商品にすればいいのに。

と、見ても満足食べても満足であった、この「テマヒマ展」。
教えてくださったもよさんには、物凄く感謝である。

歯応えに首ったけ

2012-08-05 18:04:36 | パン侍
〈7月20日の食事〉
朝:フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、塩鮭、とあとは何だろう…)
間食:ミルクティームシパン
夜:きんぴらごぼうムシパン バジルチーズムシパン

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地下鉄の飯田橋駅。
いつもと違う改札から抜けた。
ら、目があった。
まさかこんなところでお目にかかれるなんて。
ミスタームシパン、期間限定の出張販売店なのであった。

ミスタームシパン。
大阪から始まり全国に広がった、人気の蒸しパン専門店である。
東京には高円寺に店舗ができ、その当時にパンや焼き菓子などが好きな方のブログなどで大変な評判になったのを覚えている。
それらを見るたびに行きたさを募らせていたものの、中々都合がつかず。
まごまごしているうちに高円寺店が閉店と相成り、自分の中ではすっかり憧れど幻の店となってしまっていたのだ。

それが、まさか職場の最寄り駅で出張販売されるなんて。
そりゃあ買うでしょう。
出勤時は準備中だったから、昼休憩時に改めて出向いた。

して、焦がれに焦がれた蒸しパン達と対峙する。
きんぴらにバジルチーズにカレーに…そうそう、惣菜を具に用いた蒸しパンが名物なんであった。
おかず味のは必須として、甘いものも沢山あって迷う。
保存料を使っていない分日持ちはしないということで、同居人へのお土産も含めて、厳選を重ねた5つを購入。

おやつ・夕食として、早速いただいた。
無添加、卵や乳製品不使用という立派な冠を掲げど、肝心なのは味なわけである。
さてそのお味は、といえば評判通り。
とても美味しい!
歯応えがふわふわ、ではないのだ。
ぷりっぷり!なのである。
海老につけたいような擬音が、よもや小麦粉製品に似合うだなんて。
生地が柔らかな甘さだから、惣菜と危なげなくマッチするのも素晴らしい。
感銘し、評判に納得した。

残念なのは、期間限定の駅構内ショップが、この日までだということである。
蒸しパンにつけられたチラシによれば、川崎市内にある店舗から出店しているらしい。
川崎はそう遠くはないが、そう易々と行ける距離にはない。

落胆を覚えつつも、じゃあ他に店舗はないものか…と調べたら、東京にもありました。
雪ヶ谷大塚店。
これなら、電車だと面倒だけど自転車でならひょいと行ける場所。
ほっとするとともに、高円寺店がなくなったら東京にはもうお店がないものだと調べもしなかった、自分の読みの甘さも痛感した。

てな訳でして、自転車で行くならもっと暑さが落ち着いてからの方がいいので。
秋が近づいたら訪問しようと思っている。

焦がれるミント

2012-08-03 21:49:27 | 食日記
〈7月19日の食事〉
朝:鴨ハムのマスタードサンドイッチ コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、鶏の酢豚、ほうれん草とチーズの卵焼き、カボチャサラダ、ブロッコリー)
夜:冷やし中華(セブンイレブンで購入)

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市販の袋菓子。
各社揃って同じモチーフの新商品を同時期に出したりするものだが、あれはどういった経緯でああなるのだろう。
特にチョコレートにおいてそれは顕著で、今年の夏はミントもののチョコレートがあちこちにお出ましのようだ。

なぜミントかと言えば、節電を心がけるこのご時世におおいに関係しているのであろう。
たっぷりとは室温を下げられないから、せめて口内だけでも涼感を。
パッケージを彩るミントグリーンも、目に涼やかだ。

私はそもそも、チョコミントというやつが好物なのであった。
アイスクリームのフレイバーとして、小学生の頃に出会って以来ずっと。
時には「えー信じらんない。歯磨き粉の味すんじゃーん」などという罵倒に耐えながらも、頑なに愛し続けていた。
(チョコミントラバーの皆さんは、よく分かりますよね?ね?)

そんな訳だから、このミントフレイバーのチョコの大盤振る舞いは大歓迎。
色々と試しては美味しさに喜び、代償として肥え増やしたりなどする日々を送っていたのだ。

こんな折り、渋谷に仕事に必要な小道具を買いに走る用事が。
滅多に買わないものをようやくドンキホーテで探し、そこから駅へと向かう道。
暑さと探し疲れにすっかりカラカラになった喉を誘惑するように、31アイスクリームの看板が目に飛び込んできたのであった。

思わず喉が鳴る。
女子高生の集団が並ぶ後方に、ひっそりと並んだ。
そういえば、31アイスクリームって入るの初めてかもしれない。
なんて思い起こすうちに、私の順番。
頼むのは当然チョコミントである。

店を出て、その傍らで早速アイスを舐める。
「ああ、これだった」と思った。
ミント味のチョコレート菓子もそれぞれに美味しいけど、私が欲していたのはこの絶対的な冷たさだ、と思い知った。
ミントか効いたアイスクリームという、「涼しい」を具現化したらこういう形になりましたよ、という食べ物。
ガリッとした食感とほろ苦い甘さがアクセントの、チョコレートとのハーモニー。
夢中になって食べた。

とどのつまり、色々と渡り歩いたけど、やっぱり君が一番好き。
しょっちゅうこんなことを言っているような気がするが、青い鳥は近くにいたんだ、みたいな話である。

鴨がやって来ました

2012-08-01 10:46:04 | いただきました。
〈7月18日の食事〉
朝:フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:お弁当(鶏とアスパラのバジル塩麹炒め、アオサ入り卵焼き、もうひとつのおかずはなんだろう…)
夜:ハムたまごサンドイッチ エクレア(以上二点、ローソンで購入)
夜中:鴨ハム ワサビ 日本酒(墨廼江)

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素敵な贈り物をいただいてしまった。
大阪に住むOさんから、彼女の友人の料理人が直々に作られたという鴨のハム!
そして、京都の枝豆。

枝豆はすぐに茹でられなさそうだったので、野菜が長持ちするという50度洗いにしてから、ひとまず保存。
夕食を食べた後だったにも関わらず、鴨ハムは食べてみたくて仕方がなくて。
少しだけ切り出して、日本酒をお供にいただいた。

もうね、こぼれてしまったエキス(ハムと一緒に真空パックされていた、そもそもは肉の漬け汁なんでしょうか?)からして、まな板をつたって流れていくのを慌てて指で押し留めて舐めたら、これがどうしようもないほど美味しくて。
じゃあ本編はいかほどのものかと言えば、また途方もないほど美味しい。
噛み締めるほど甘みが舌に伝わって、「あまいはうまい」という言葉があったのを思い出す。

こちらの賞味期限は5日。
冷凍保存も出来なくはないけど…ということだったのだが、品質を保ったまま美味しく食べたかったから、期限以内で食べ切った。
食べたい欲求と、もったいなくて出し惜しみたい気分と戦いながら。
そんな訳で、この先数日に渡って少しずつ楽しんだのだが、その模様は後日、特集記事としてまとめたいと思います。