三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
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ただ鯖を待つ

2012-12-03 12:35:58 | 食雑記
〈11月1日の食事〉
朝:ホノカ カッテージチーズ タラモサラダの残り コーヒー
昼:カルツォーネ(ファミマで購入) さつまいものパン(ローソンで購入) トマトジュース
夜:お弁当(玄米、鶏とタケノコのナンプラー炒め、卵とアスパラの炒めもの、ほうれん草のおひたし)

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時は12月に入りましたが、日記はようやく11月に入りました…。
この調子だと、来年2月に明けましておめでとうっていう内容に…

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今から書く内容は、これを書いた(12月3日)最近起こったことである。
だから、この日の日記に書くのは適切ではないことを、あらかじめ。

日本酒の美味しいお店で飲んでいたのだ。
お酒はもちろんのこと、食事も美味しい。
特に鯖料理には自信があるのか、〆鯖ではない鯖の刺身もあるし、鯖のスモークもあるといった凝りよう。
事変は、その鯖で起こった。

私たちはカウンターに座っていたのだけれど、その隣には女性の一人客が座っていた。
見たところ40代、身なりの洗練された人である。
その女性が、カウンター越しにお店の人に声を掛けたのだ。
「お兄さん、鯖釣りに行ってるの?」と。

それか耳に飛び込んできたとき、てっきりこの女性は常連客で、お店のお兄さんの趣味が釣りだと知ってるくらい仲良しなのだと思ったのだ。
ところが続く言葉が「さっき鯖頼んだんだけど、まだ出ないの?もっと時間かかるようなら、もういらない。帰る」だったからのけぞった。
単なる嫌みだったのである。

ううむ、ふつうに「さっき頼んだ鯖まだですかね?」とにこやかに言えばいいのに。
凍りついたカウンターの雰囲気が、こちらにも痛々しく伝わった。
お店はとても混んでいたのだから、ちょっと多目に見てもいいじゃない。

という話を聞いた友人N君が興味深いことを言っていて、曰く、今は生産者よりも消費者の方が強い時代であると。
この場合、嫌みの生産者である女性客と、それを受けた消費者であるお店の人たちという図式も成り立つのではないかと。
なるほど。
お店の人たちよ、あとで話のタネとして存分に消費してくださいねと、願うばかり。

それにしてもなあ。
とどのつまり、嫌みという形にしてあらわにしたのは、鯖を食べたいという食欲、煩悩である。
それを開示するのって、けっこう恥ずかしいことだと思うんである。
性的な話よりも、食べるところを人に見られる方が恥ずかしいとする時代や民族だっているのだ。
それほど、欲望に忠実な様というのは、あまり大っぴらにしないほうが美しいというもの。

注文の品がなかなか届かないことに苛つくのは分からないでもないが、そこから見えるものを考えると、要求はスマートに伝え、あとは涼しい顔をしていたいものだ。

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