
瀬戸、美濃の大きいものばかり紹介したあとは、小さいものもと新旧の豆皿を、それと若かりし頃に買ったコーヒーカップなど。最初の頃の未熟さがよく分かっちゃいますけどね。
冒頭写真は俗に馬の目皿と言われるもので、もっと大きい8寸皿以上のものが多いのだけれど、これは珍しい豆皿、描かれたグルグル模様を馬の目に見立てている。買ったときの業者の話では、廃業した旅館で使われていた注文物で明治のものだろうという。これらの皿は石皿よりのちの江戸末期から庶民の雑記として大量生産されたそうだが、柔らかい焼物だから多くが破損したのだろう。民芸運動の柳宗悦もこれらの焼物をおおいに評価していたそうだが、このグルグル線の勢いのあるものが良品という。
同じ豆皿でも現代物では織部釉を使った優雅な5枚セットは女房のお気に入り、これは多治見の料亭の器をご家庭にのキャッチフレーズを掲げる丸志げ陶器で女房が気に入って購入した、清山工房の作である。やはり上作は色の出方が一味違っていて安っぽさが全く無い、濃淡の付け方なども工夫しているし形も手作り感があっていい。
この大きさの皿はいろいろな使い方ができて重宝するが、今のところ出番が少ないのはちょっといい器を入れている普段使いとは別の松本民芸家具の食器棚に入っているから。
最後は若かりし頃に美濃地方に旅行したときに街道筋の店だ買ったコーヒーカップ3点も、焼物にはまだ未熟なのがよく分かるなぁ。
それでも一番奥のカップは小田井窯のものでこれはまずまずなのだが、手前の二つは織部と志野というだけでなんとも変哲のないもの。