ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

大震災1ヶ月後の東北へ、でも日本海側に、桜は開花が遅れてアジャパー その5第三日目(最終)

2011-04-30 06:55:11 | 旅日記

 最終日は村上で時間を取ろうと、なるべく早く出発すればそれだけ歩き回れるからと8時半過ぎには出発、すぐに海岸線に出て道の駅しゃりんで運転を女房と交代、最近はほとんど運転させていないから多少は慣らさせておかないといけないということで。

    

                      道の駅しゃりん                              しゃりんから日本海北側を

 R7は鼠ヶ関から先は新潟県となって、さらに少し走ると山側に入って行って海から遠ざかる道となる。この道筋にもまだ雪が多いのには、もう4月半ばなのにと、改めて今年の3月が寒かったのを思い出す。

                   まだ雪が残る

 でも平坦な地帯に出てくれば白いものは消えて、朝日村にある道の駅朝日に到着する。ここには農産物直売所、物産館みどりの里、温泉施設まほろばセンター、日本玩具歴史館、出来て間もないまたぎの家などがある複合施設である。農産物直売は昔は週末や祝日だけの営業だったが恒久店舗ができて常設売店となった。肘折温泉や温海温泉などの朝市値段よりこちらの方が安くて、秋には天然キノコなどもあることが多いから必ず立寄ることにしている。この時期はまだ農産物は少なくて、山ワサビみたいなもの以外は胡麻豆腐と豆腐の寒天寄せなどを帰ってから今晩のおかずにと買う。ほかには行者ニンニクと物産館で雪割草の鉢を買って、軽井沢と横浜とに植えてやろうと。

          道の駅朝日
 道の駅を出たら朝日まほろがICを示す方向指示看板が見えてきて、一昨年には荒川胎内ICまでだった高速がここまで伸びているのを知り、村上からはこれにすぐ乗れるとなると楽になると、時間の余裕が出来たぞとニンマリ。三面川の橋を渡れば村上、ここではまず宮尾酒造に立寄って〆張鶴の雪を購入、同じ酒でも蔵元で買ったものは瓶詰間もないから旨いと感じるが、ハテ気分からだけだろうか。旧市街にはおしゃぎり会館があってそこの駐車場に入ったら、観光バスが1台だけいて、見れば岩手交通とあるのには一番来れない所からよくぞやってきたものだと驚いてしまった。

                  宮尾酒造
 おしゃぎり会館と旧若林家の隣には村上歴史文化館というレトロ木造建物があって、開催中のアイヌ刺繍の衣服などの写真が載っている企画展案内ポスターがあって、デタチ(仕事着)のいろいろとある。ここでも図らずもまたも刺子に出会った女房はここも是非見て行こうと、今回は刺子に取りつかれちゃったみたいじゃ。デタチとは村上地方で仕事着ということだそうで、アイヌ物以外にも刺子で補強した昔の仕事着や背負子専用のチョッキみたいなもの、藤蔓の繊維で織った衣装などを展示、方言だろうけどコンギン、ドンザ、フジオツヅレ、ニズリ、バフリなどとチンプンカンプンの呼び名でばかりだ。村上も北前船の行き来があって、蝦夷地で手に入れたアイヌ刺繍の衣装がもたらされたということで、漁労衣というが見ればあまり着込んでいないような奇麗なもの三着が中央のガラスケースに、布は科織風だがもっと太い糸でアツシといってオヒョウという北海道の樹木の樹皮繊維で織られたものだそうだが、素朴な風合いがいいなぁ。我が家には古い科織の布があるから、女房にアイヌ刺繍でこういう切伏と合わせて暖簾などを作らせたら素晴らしいものが出来るんじゃないかな。これはそのうち作らせよう。しかしアイヌ刺繍の動に対し、東北三大刺繍は静といったところかな。

                  村上歴史文化館にて

     

              中央にアイヌ刺繍の仕事着が                          ニズリにも刺子が

      

              村上の大浜人形の展示                唱歌汽車の作曲者太和田愛羅のピアノ、キャロル・オットー
 村上の古くからの町屋が集まる商店街は歩いてすぐで、嵐山光三郎が日本一の魚屋というその名もうおやは帰りに買うことにして、まずは村上塩引鮭で有名な喜つ川に入ったら、先ほどの観光バスの団体客が居て、主人が店内と鮭の加工の説明中で同席でどうぞということになった。主人はJRのTVコマーシャルで吉永小百合と出ていた人、その説明は大変に面白く勉強になりましたです。使う鮭は雄だけでそれも自分で見て魚体から味がいいと判断できるものだけを選ぶそうで、塩の味わいも自分の好みだけで決めているんだとかで、味覚が違う人にはスイマセンだって。説明する目の前に釣り下がった鮭の三つの鼻先を示して、湾にはいったばかり、それから数日、そして川に上ろうというものと鼻が大きく曲がっていくのは自分の体の中のナトリウムを海から川へと真水に馴らすために減らしていくからなんだと。そして人間も春には苦いもの、夏はスッパイもの、秋は辛いもの、冬は甘いものと好むというのも季節気温変化に対応して自然に体内のナトリウム調整をしているからだと、それって本当ですか。最後に足元の小さな印を指さして、JRポスターの吉永小百合が立って写真撮影した場所がここですというのには、女房をそこに誘ってカメラを向け、吉永小百合気分にしてやったぞ。店内にはズラッと塩引き鮭が並ぶが、数年の夏を越せるというカチンカチン状態で、昔は切るのは手作業のはずで大変な技術だと思う、これだけが1年で捌けてしまうというのも凄いねぇ。岩手からの団体は盛岡市近くの内陸部だそうで、ツアーに来るぐらいだから被害はあまり無かったということだ。僕は鮭の酒びたしはそんなに好みじゃないから、試食してマッタリ味が良かった白子煮だけをお土産にする。ちなみに遡上する雌は産卵準備で魚体が痩せていて使えないそうで、また鼻曲がりも雄だけの現象、仕入れが雄だけだから白子があるわけだ。

    

            喜つ川は室内に端午の節句飾りが                        村上塩引き鮭の説明中

             

             一番左は湾に入ったばかりで普通の鼻、右に行くほど淡水に慣れるため鼻が大きく曲がっている

                      マッタリした味
 町家のお人形さん巡りで来たときは一軒一軒の見物で町家通りの先までは巡れなくて、今回は次回のために探索しておこうと急ぎ足で町を巡る。地図やパンフレットを調べたら2と7の付く日には六斎市が、毎月第4日曜日には骨董市もあって、さらに村上どんぶり合戦なる企画も26店舗が参加して1年間やるんだそうで、町興しに力を入れているんだね。古い町家と名物の鮭に最近は村上牛も、日本酒や堆朱も有名どころだし、温泉は瀬波温泉があるなど観光資源は豊富、これに日本海東北自動車道がつながったからには更に注目されるんじゃないかな。雅子様の小和田家発祥の土地として話題になったのはもうかなり前のこと、高速道路時代を迎えたからには市街中心部に観光用駐車場をもっと整備しましょうよ。この町は裏通りも風情があるから車をおいて歩くのがお勧めなのだ。

           大町周辺は道路が拡幅されて

                    裏通りで見つけた塀に鮭が
 昼はどんぶり合戦にも参加しているという千渡里という割烹に、ランチメニューに日替わり定食840円と当店人気NO1おまかせ定食1575円がまず目に入るようになっている。おまかせは刺身に小鉢三品となっていて、二日間泊まった宿で刺身は堪能したからもういいかと、何が本日のメイン料理か分からない日替わりのほうを格別の安さにつられて頼む。カウンター越しに見ていたら、いろいろな料理を目の前で盛付けして角盆に乗せていくのには、思いのほかいいんじゃないと。メインはシッカリと味付られた豚バラ肉煮、これに小鉢は鮭頭膾の和え物、切干大根煮付、これにご飯と味噌汁と漬物、デザートにパインとヨーグルト、いい器を使っているしこれが840円というのはお値打ちです、村上では塩引き鮭と和牛料理以外は安いんだね。器もかなり良いものを使っているから女房の評価も高かったようだ。千渡里のどんぶり合戦参加はだーまた丼1890円で、塩引き鮭に海鮮と地鶏など約15種類を豪華に乗せた写真がパンフレットにあった。

     

                  右側が割烹千渡里                               ランチメニュー

                日替わり定食                        
 歩きの帰り道でうおやに入ったら焼魚や天ぷらなどかなり品が無くなっていて、お近所さんが昼の惣菜に買うんだったら最初に仕入れておけばよかったなと。今晩用にアジ塩焼、切り昆布や野菜などの煮物、イワシ酢〆などを、鮮魚は帰ってから料理するのが面倒で止めにしといた。以前はお人形さん巡りの期間だけだった食事を常時やるようになったらしくメニュー看板があったから、こちらでも美味しい魚を昼に食べられるね。

                  うおや
 時間もかなり押し迫ったと最後は瀬波温泉のすぐ先にある岩船港鮮魚センターに回り、お目当てのマス塩一夜干を買う、これは鮭より脂がのって美味しいのだ。ほかにも干物類や西京漬けなど日持ちするものだけ購入、これだけで数日分の夕食メインのおかずが出来ちゃったことになるね。

      

                      前方に岩船港鮮魚センター                       干物類、一番奥がマス塩干し

                

                 マス塩干し半身分、この時期に旬はサクラマスだがこの鮭と同じ大きさのものは?
 村上市街R7に戻って帰りのガソリンを補給、午後1時半にすぐの村上瀬波温泉ICから高速に乗ればあとは関越道最終の練馬ICまで直通となるから、遅くなることあって今回は栃尾への途中下車立寄りはしないで一気に走ることに。その途中ではまず飯豊連峰が見える日本海東北道沿いアチコチにまだ田圃で啄ばむ白鳥の姿が見られて、やはり今年は春が遅いんだろうなと。

         飯豊方面

             まだ白鳥が

 新潟郊外を抜けて北陸道、そして関越道になれば越後三山などが真っ白な山容を見せてきて、さらに石打湯沢あたりはまだ雪景色でスキーはまだ十分に楽しめる様子、でも月曜平日で人影は全く見当たらない。関越トンネル近くになったらやや雲が多くなってはきたが、谷川岳方面の山(冒頭写真)はまだ見えている。

  越後三山の八海山          

 長いトンネルを抜けたら関東側は完全に曇り空になっていて、出てすぐの谷川PAで一回だけの休憩とトンネル掘削時に湧出したという六年水をペットボトルに汲むため立寄っただけで、あとはガラガラの高速道を快調に走り切り、環八もスイスイで予定より1時間以上も早くまだ明るい6時過ぎには家に帰りつく。三日間で走行距離約1200kmという行程であった。

                 谷川の六年水

 夕食はその日に買ってきたものを中心に、酒はこれも買ってきた栄光冨士で、惣菜6品で一人分が400円なんて安上がりじゃないですかね。特にゼリー寄せは遊佐の遊楽里でももっと柔らかくプルンプルンが出てきたが、日本海あのあたりの郷土料理なんだろうか、こいうのは今回の旅行で初めて食べたぞ。

    

                          帰宅しての夕食兼つまみの食事はこんなもので調理なしで済ます
 今回は目的だった庄内の桜にはフラレテしまったけれど、昨年の思いもかけずの遅い桜に遭遇の幸運とこれでチャラになったわけで、もう一度庄内の桜を見ようという意欲が湧くじゃありませんか。

 最後に買ってきた日本酒は下の写真で一升瓶を4本、さてこれがどのくらい持つかなぁ。

                    


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