青の釉薬使いの話題を続けたが、この青九谷の小さな油壺で今回は一休みとしましょう。全国にこういう油壺の収集家がかなりいるらしいのですが、僕はあくまで雑多な興味半分の中でふと買ってしまうという根無し草ですからこれもタマタマ。
これは東北旅行のどこかでふと見かけ、奇麗だなということで購入したもの、裏底に福という字が入った九谷焼である。これには以前の花瓶にはあまり入っていなかった紫の釉薬がしっかり使われている。一輪挿しにしたらいいかなと思って花を活けてみたら、この華やかな絵柄と競合しちゃうことが多いのですね。本来の用途は現代ではもうあり得ない、丸いちっちゃな形がなんともいいから棚などにちょっと置いて飾っておくのが相応しいというもの、それでたまには素朴な花ぐらいなら活けてもいいかな。
収集家はズラッと並べて悦に入っているのでしょうか、それなら壮観ではあるなぁ。