
鴨川の棚田倶楽部のお遊び米作りに参加しているので、その事務局NPO法人大山千枚田保存会がこれも企画している家づくり体験塾の、今年の施工物件である古民家再生建物工事の中間見学会の案内がきて、これは面白いと土曜日に出掛けてみることに。
ちょうど勝浦では神社の階段に沢山の雛を並べるということで有名なビッグひな祭りも開催していることだしで、そちらにも足を延ばして時間が許すだけは見物してこようかということもあって。でもこちらは直前に行くことを決めたから、女房は全く予定していなくて老人の世話を頼んでいなかったから、自分が一緒にいけないと恨まれてしまったのだが、下見だけしておくだけだからと言い訳をして。
朝は9時少し前に家を出ていつもの道程で、有料道路はアクアラインだけを使って鴨川北部までは約2時間ほど。昼はどこにしようかと考えたが、この前に通りかかった時に駐車待ちの車が道路にも並んで、店の前にも行列ができていた鮮魚池田という店に11時半前に行けばまだそんなには混んでいないだろうと思い付き、やや間があるからと地元スーパーODOYAで房総産の魚だけ買ってから向かう。この日の見学会は旧富山町で少しばかり行き来が重複するが、ちょうど時間の具合が良かったからと。ODOYAではこの日は地魚の種類が少なかったのは残念だったけどね。このスーパーの近くには地酒寿萬亀の醸造元があって、以前に飲んだらやや甘口の酒であった。
寿萬亀
土曜日だから11時20分過ぎに店に着いたらもう駐車場は残りが4台ほどというところに滑り込み、開店待ちの客は既に20人強という状況に一瞬すぐには席に着けないかと。でも店内は案外に広くて椅子テーブル席と畳席があって、最初にドドッと入った客で残りが畳席2卓だけ、それも間もなく埋まってそのあとは名前を書いて待つ客がドンドン増える。これじゃぁ駐車場も間に合わないいわけだ。
鮮魚池田の赤い看板
僕は一人だからテーブル席に相席させてもらって1席をおあとに譲るという奥ゆかしさを見せちゃう。黒板には今日の煮魚と焼魚ができるものが書かれていて、鯛、ホウボウ、ムツなどとあって金目だけはプラス100円となっていた。メニューには定食にすると1300円で、刺身や天ぷらも同じ値段、丼ものは種類によっていくつかというもの。皆さんの注文を聞いていたら金目の煮魚定食というのが多かったようだ。
これだけの客の料理となると時間がかかりそうと、僕は刺身なら早そうだとその定食を注文。やはり出てきたのは一番乗りで10分足らずで目の前に、中身はマグロと甘エビ以外は地の物の鯛、カンパチ、ホウボウ、タコ、ワラサでやはり地魚は新鮮でプリプリ、久しぶりに活きの良い魚に巡り合った。
刺身定食
やはりこれだけ混み合う店だから手際が良いようで、煮魚や焼魚に天ぷらなどもそんなには待たされずに出てきていて、さらに驚いたのは魚はどれも一匹丸ごととなっているではないか。となり客の金目の大きさは先ほどのスーパーで1480円で売っていたものと同じで、これの定食が1400円というのは安いねぇ。煮方はややアッサリと思われる煮汁が中までは浸みこんでいない時間が浅めのもの、これは伊豆などで食べたシッカリ味のほうが僕は好みだけどね。天ぷらはかなりのボリュームがあって旨そう、次回はそちらにしようかな。ということで一人で最初に食べ終わったけれど、相席だったから次の客に席が空いたということにならなくてゴメンよなと。
食事処の表側は老人夫婦がやっている鮮魚店になっているのだが、鮮魚はセグロイワシぐらいしかこの日は無くて、その加工品の干物が1パック30本以上が300円と安かったから買ったのだが、あとでブリの味噌漬けも買っとくんだったと。
このあとはまた長狭街道を戻って、途中を南方向に曲がって旧富山町の古民家再生の現場に直行。家づくり体験塾の以前の受講生がここの物件を購入したそうで、築250年ほどの平屋は傾いていたそうだが幸いに基礎部分は腐っていなかったということだ。まずは鼻の孔が真っ黒になるような片付けから始まって、骨組み状態から今で約2年ほどかかっているとか、水回りは完了して、それ以外は骨組みと下地がまとまっている状況で、仕上がりと構造の両方が見られる状況だ。
右入口側は内部も完成
見たら柱は1本ずつジャッキアップして下の独立コンクリート基礎をを造って乗せられて、古い材だから欠損具合をみて最下部の補強や添え柱の補強が為されている。あくまでも柱は基礎に乗せ掛けでボルト固定させないようにしているのは、古来の知恵で地震時にずれて揺れを吸収しようということで、横移動を妨げない代わりに浮き上がりや多少の変形防止に床下と基礎を長いボルトで繋いでいるところが面白い。壁は土壁と乾式の併用で、軽量化と剛性のバランスをとっているようだ。屋根は茅葺を既に外部はトタンで覆っていたのをそのままに、船底天井で隠して仕上げるいうことだ。
添え柱で補強した場所 基礎と床を長ボルトで結ぶ
仕上の全体の様子
古民家の屋根組は素晴らしいが藁葺だから上半分は隠れる 左の下屋は傷んでいたからかやり替え
既に仕上がっていたキッチン、ダイニングは石風大型タイル床で昔の土間にも通じる雰囲気を残して、薪スト-ブが燃やされていて、それだけで十分に暖かい。照明にはローソク型ランプが吊り下げられ、天井の斜め部分は網代となっていていい雰囲気、床の一部にはギャベが敷かれ、室内に置く薪などは飼馬桶などを活用などなど、聞けば奥さんが好きで工事期間の進捗に合わせてていろいろ探してきたんだそうだ。それじゃぁこの2年間は楽しかったでしょう、我々も軽井沢の山荘を建てた時にはそうだったものねぇ、でも2年間も楽しめたなんてうらやましいじゃありませんか。1時間以上もウロウロさせてもらって、やや遅くなってしまったから勝浦は本当に下調べぐらいということで向かうことに。
仕上がった天井と照明
これはあとで知ったのだが、勝浦ビッグひな祭りはこの日の土曜日が初日ということで、以前に訪ねた庄内、村上や真壁などはもっと長い期間だったから、当然もうやっていると思い込んで来たけれど危なかったねと。道筋では旧行川アイランドやその先などに祭り用の駐車場の看板があったものの、そちらからシャトルバスじゃぁもう時間がないからと、市街で行き当たりばったりで駐車場を見つけて見物しようと会場近くまで走る。幸いにメインの遠見岬神社からもそんなには離れていないスーパーの駐車場を見つけ、少々の買物で許してもらって急ぎ足で商店街とその周辺を回ることに。
朝市会場にも近い商店街では店内だけでなく屋外にもお雛様を並べる店も多くて、ちょっと広い場所には雛段を組んだり自宅の外階段なども利用して、至る所にお雛様、お雛様ということになっている。有名な神社の石段(冒頭写真)には1200体のひな人形が並べられているんだそうで、これは確かに圧巻で話題になるはずだ。でも勝浦には古い和風民家がかなり目立つのに、個人の住宅がほとんどだからか、そこでは何も無いというのが寂しいかな。一般家庭も参加すればいいのにね。それと外に並べるとなると毎日仕舞う必要があるだろうし、途中で雨が降ろうものなら急遽撤去するのも大変だからか、開催期間が2週間と短いのももうちょっと頑張ってもいいんじゃないかと。足早に中心部だけ見て下見はできたとそそくさと退散することに。
覚翁寺山門前
商店街住宅の外階段を利用して 店先にこんなディスプレイでも
昔に我々も泊まったことがある老舗旅館の玄関内は古風な風格が
小さな祠の中に吊るし雛が 吊るし雛を中心に販売する店もある
市街にはこういう古民家も多いからひな祭りに活用できないかな
あとで貰ったパンフレットなど帰ってから見たら、まだまだ会場があって行川の日本最大の享保雛を初めとして周辺各所にも分散展示しているほか、市街中心部でも市役所や図書館などもっといくつかの場所があるらしい。それにいくつかのイベントも計画しているらしいから、ジックリ見物するなら臨時駐車場に停めてシャトルバスを利用して、1日タップリと見て回ることになる。この期間にも朝市が開催されるかは聞きそびれてしまったが、途中には海産物を販売するところはいくつかあった。
ということでビッグひな祭りの見物を端折って帰ったが、家には7時の到着、すぐに買ってきたアジは干物に、晩飯には初物というカツオの刺身にセグロイワシ丸干しをメインにしたが、カツオはまずまずの鮮度でイヤミがなく、イワシもほどよい塩加減で夫婦二人で酒がすすんでしまったぞ。それで女房とは真壁のひなまつりに、昨年に続けて行こうと約束させられることとなった。