ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

旧HPからの移行版***今回は我慢我慢の旅でした、でも旨い店もめっけ! 2/3 近江・伊賀・猿投 2003.5

2013-12-07 16:39:56 | 旅日記

 9時5分着の義妹夫婦を迎えにJR近江八幡駅に回る。さて今日の最初は10年以上振りでの近江八幡の商人町に、伝統的建物群保存地区に指定された地域の見物の予定で。たしか日牟礼神社前の駐車場は無料だったはずと行ってみれば、このあたりは昔、といっても10年ちょっとだけどその時に訪ねた時のままなのには、さすが保存地区に続く地域と感心してしまったわい。

 かわらミュージアムの見学(冒頭写真はその近くの民家の前に合った瓦のオブジェ)から始めて、運河沿いの船着場を兼ねた石畳の通路を歩き、商人町を散策、郷土資料館と西川家の共通券を求めて一回りする。この町の運河を含めた古くからの景観は、長浜とも違っていてこのあたりでは一番風格がありますね。

                               運河沿いに蔵が並ぶ風景がいい

                               近江商人の屋敷が連なる

                               たねやでは現役の竃の前で餅つき

 義妹は関西に住んでいて長浜、彦根には来たことはあるもののここは初めてだと、学校の先生も英語教師だとこういう所には興味がないのかと聞けば、こんな良い街とは知らなかったとは勉強不足ですよ。神社前のこれもたねや経営の日牟礼茶屋でコーヒーを飲み、昼は義妹がおごるというので以前なにかで聞いて元ホテル料理長が開いた面白いフランス料理店があるというのをチェックしていたので、携帯で電話予約を入れてみた。この茶屋でも食事できたのだが、宿が旅館となれば和食なので昼はやっぱり洋の方を選ぶことになることが多くなるんですよ。特に女房達姉妹は小学校がニューヨーク育ちなので洋風料理が好きのようで、一日に一度はパンなどとのたまうからねぇ。

 11時45分にその店、富たんに来てみればなんと住宅街の中で、それも小さな神社参道沿いにあって、店構えも縄暖簾の居酒屋風佇まいにやや唖然に。店名の書かれた看板の上にふらんす料理の文字が小さくあるものの、これでは知らない人は来られないし何の店か分からないでしょう。12時開店だがあと5分ほどで食べられるようにしますというのでしばし外で待つ。呼ばれて入ればまずカウンター席が10人弱、隣に小上がりで2卓とはまさしく居酒屋だよこれは。ちなみに店の名前も居酒屋風で富たんとは、座布団にあぐらをかいて向かいの壁上部に掛かっている免状や表彰状を見てご夫婦とも名前の一字に富があるので了解しましたよ。カウンターの上や別の壁にはサイン色紙が一杯に、やはり結構知られた店なんだと納得しつつ少し読めば、ゴルフなどスポーツ選手が多い。昼は3000円のコースというものの、スポーツマン御用達とあればボリュームありそうだの予感はやっぱり的中。

 さて箸で食べるフランス料理の前菜は鯛の白髪葱巻が彩り良く皿に盛られ、旨いしさすがこれはフランス料理だなと。次に今日はロシア風スープとかでトマトの酸味が効いてボルシチのスープをアッサリしたようなものが、これには評価は分かれるでしょうかね。なんでも小柄な親父さん風シェフは京都ロイヤルホテルで料理人をしていてここにマイホームを購入し、ホテルを止め開業して18年になる由。奥さんは横浜西区の岡野高校卒業とかで我々が横浜からと聞いてえらく懐かしがっていましたよ。スープを飲み終わって片付け中の僕の皿を見て凄い食べ方の人がいると義弟がからかうのを、本当に喜ばれるのはこういう風に食べてくれる人とは奥さんのお言葉、それみなさい旨いものは綺麗に平らげるものなんですぞ。魚料理はエビのピカタにタルタルソース、野菜サラダ添えといえば聞こえはフランス風だが、エビフライにキャベツがついた例のものをフライからピカタ風に変えたこれは洋食という部類で、4人ともこれはいまいち普通だなと顔を見合わす。さて次なる肉料理は牛肉の赤ワイン煮で、ポテトクリームの上に乗せられてタップリと煮込んだデミグラソースがかかっている。これは肉を一口入れて思わず旨い、柔らかいで、何故こんなにもと聞けば8時間煮込んであるとか。これだけでも価値ありであったが、ここまでにパンが出ないのでどうしてなのかなと思っていたのが、これもうちの名物で評判のミニカレーですとなった。出された瞬間スパイスの刺激が目と鼻にウワッと広がる。フレンチなので欧風カレーであるがこれが辛いのに甘いぞと、これまた絶品じゃ、僕の好きなラニのインドカレーとはまた別の味わいで、欧風でも香辛料を効かし野菜をタップリ煮込めばこんなに美味しいんだと大満足の一品でしたよ。デザートはプリンにチョコレートが捻花風に美しく掛けられ、フルーツが添えられている。カナダで作られたというフレーバーコーヒーでちょっと紅茶風の不思議なものが出され、これでコース終了となった。

                               富たん

                           

                                      前菜                      ビーフシチュー

                           

                                     欧風カレー                       デザート

 

 義妹はこれで雰囲気があればなどと言うのを安くて旨いが一番、これだけ出て3000円は夫婦二人だけで自宅で商売しているからと、こういう店があるんですねぇ、またそれを知って遠方から訪れる客もいるものですねぇ。因みに野球の新庄や芸能人の赤とんぼのサインもありましたよ。これだけの量をそれこそ皿を舐めるように全て平らげたのは僕だけ。まだいけるぞと言えば、あんなにカロリーの多いタルタルやデミグラソースを綺麗に食べ尽くしてなにがダイエットよとまた怒られてしまったが、本当に不思議に腹いっぱいの感覚がなかったのが我ながら恐ろしい。帰り掛けは飴玉までサービスとは不思議なフランス料理店で、また話の種が一つ増えましたよ。

 腹を満たして今日の宿がある信楽に向かうに、連休はメイン道路周辺が混雑するので草津まで降りて、裏側から山越えで行こうと南下する。最近新聞で草津本陣が修復され浅野匠之守や吉良上野介の宿帳も見られるといういう記事を読んだので、ちょっと足を伸ばして見学していくことに。目的地は草津駅近くではあるものの、折から祭りのようで規制があったうえに一方通行が多くて、分かり難い細い道を回りまわってたどり着けば駐車場は無く、やむをえず交代での見学に。本陣全体がこれほど見事に残っているのと、脇本陣も揃って残るのは珍しいとか。ボランティアの説明を聞いた女房からの又聞きであるがその内容が実に面白い。江戸時代は宿、泊、休の別があって宿は料理人自前で連れてきて宿泊するだけ、泊は料理も本陣に頼んで宿泊、休はそれこそご休憩のみとか。殿様の間は上段で畳2畳が2段重ね、それで寝る時もその2畳内だけで、これは槍で床下から刺されないためとか、また天井も格天井で丈夫に出来ているという話、お殿様も窮屈で大変だったんですねぇ。便所も畳敷きでこちらは広くて中心にオマルがあり、下では殿様の排泄物を受けて健康状態を診たとか、風呂も広い部屋で真中にあり便所と同様に四方から槍が届かないようになっているなどと。また江戸時代は金より銀が貴重で、吉良のチップは金だったが浅野は銀だった、しかるに吉良はケチというお話はちょっと出来過ぎではないでしょうかね。でも吉良はケチといわれるほど質素で、国許では良い殿様と領民に慕われたのもそのためかな。なおこちらも残っていた脇本陣は個人所有のようで、お土産と食事の店になっていましたよ。

                               草津宿本陣

                               内部1

                               内部2

 少しばかり1号線を戻って右折し信楽に向かえば存外にいい道が続き、ミホミュージアムに向かう宗教団体らしい一団を乗せた貸切バスもこちらからがアクセス道路らしく何台も走っている。我々は昨年も見ているが初めてという義妹夫婦を案内、今回は天気に恵まれまた新緑も美しい。ミュージアムでは今回はエジプトのイスラーム文様の特別展示、やはりそれなりに見応えはありましたよ。場所場所に立つ信者らしい説明員に尋ねればいろいろ説明してくれるので、時間があれば遠慮せずに聞きましょうね。エジプトの鳥の顔をした神像を前に説明員は、頭はラピラズリ、骨は銀、肉体(皮膚)は金という言伝えそのものの組合せで出来ている像は世界でこれ一つという話に加えて、エジプトでは金より銀の方が大変貴重で最もボリュームが必要な骨部分に実際に銀が多く使われているのは珍しいのだと自慢そうなお顔。はてさっき草津で聞いた江戸時代の日本と同じだと変に納得。もう一つの特別展示は中央アジアの黄金の国・古代バクトリア遺宝とかで、こちらは黄金の国ジパングと同じじゃないですか。マルコポーロが滞在した国、その中国人らしい女性4人組が熱心に口角泡を飛ばすが如く喋りながら見入っているのと一緒になって、SARSで騒然としている昨今では僕は思わず不安がよぎってしまって、一瞬身を引いて離れて見学することになってしまいましたがね。

                               ミュージアムはトンネルの先に

 ミュージアムから信楽はやや細い道を下ってメイン道路に出れば案の定渋滞の列に、すぐさま裏通りに入って伝統産業会館前に回り、午後5時にはまだ少し間があったので駅前陶器市をちょっとばかり冷やかしていこうと臨時駐車場に停める。昨年2枚だけしかなかった緑釉角小皿が同じテントに今度は3枚だけあり、これで5枚揃いになると早速にも購入、店のおばちゃんに2年越しで揃ったよと話せば、これは良い物なのよ、半端になったので安くしたのと、これは誉め言葉?なのかな。

                               駅前陶器市

 宿は昨年泊って気に入った小川亭、今回は4人なので食事部屋は大広間をスクリーンで仕切った大部屋となり、なんだか落着かないなど話しながら適度な間で出される会席を全員が全部平らげる。義妹がこれと同じ物が日吉の家にもあったなどはしゃげば、女房は器の講釈をしながらなんのかんのいっても女二人が揃うと賑やかなことでありましたな。その中でも昨年800円で買ったぐい呑と同じ作者の変わった形の醤油注しが面白いとえらく気に入った様子に、これなら洒落た一輪指しにもなるよと女房が追打ち。1800円は安いと義妹は翌朝の会計時に早速のお買上げ、我家の分はと言う僕に女房は今度来たときにとっておくわだと。


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