
二日目最初の観光は日田市内に古くからの街並みが残る豆田地区の雛まつり見物で、花月川の反対側にある月隈公園の無料駐車場にバスが停まって、バスガイドさんの案内で豆田地区入口まで歩く。着いたのはまだ9時少し前で、豆田地区の商店街は店を開け始めたところ、中でも有名な草野本家は10時からで今回は見られないと、地区の案内地図が配られて代わりに見所をいくつか教えてもらって、そういうところはどれも有料だそうで、あとはお土産などを探しながら各店の飾りを見てくださいと、最期には蔵元の薫長酒造での試飲もお忘れなくということで自由行動に。
公園駐車場に合った日田の観光マップの中央部を下に、日田温泉と公園と豆田地区の位置関係はバスで走ったよりも連なっていて、時間があれば全体を歩いての観光もよさそうですな。
月隈公園にあった日田観光案内地図の部分
駐車場がある場所には月隈城址という案内もあって目の前に石垣や堀が残っていて、天領だったはずなのにどうしてかと思ったら、当初は短かったが封じられた殿様がいた城下町で、今の豆田町はその時代に町割りが決められたとか、以降は天領として特に町人の町として栄えたところだという。
天領となる前に造られた月隈城址跡
豆田地区は二本の並行する道を中心に数本の二つを繋げる道があり、江戸時代から昭和初期までの建物が連なる景観は、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている。和風建築では度々の大火で消失したりもするから、その後には防火のために蔵造りの家に建て替えられることが多くて、ここもそういう建物が多いけれども、今でも生活しながらの街並みだからシットリと馴染んでいて、いい街並みを形成しているね。
豆田町重要伝統的建造物群保存地区の説明看板
配られた案内マップは廣瀬史料館のものであったが、そこに書かれた店名などから民芸店、履物屋、羊羹や醤油の店などが多いようで、バスガイドさんは日田杉の下駄や日田羊羹はオススメだと、御幸橋を渡って見えた街並みの最初には荒物屋があったのには古い街にはまだ必ず残っているもんだと、嬉しくなって時間はあまり無いのに少しだけと中を覗いてしまう。
配布された豆田観光マップ
花月川
約1時間半での豆田町散策と雛飾り見物となるとかなり忙しいことになる。ちょうど店を明け始めたばかりという店々は横目にするだけで街並みを眺めつつ一周し、有料の雛まつり会場は日田醤油が奥の座敷を使ってやっている天領ひな陣屋の展示と町人町豆田の昔の生活も展示しているという廣瀬史料館の二ヶ所に結果的には絞ったことになって、最後は薫長酒造で新酒の試飲をすればもうお時間ということとなった。そんな豆田町散策で撮った写真をコメントと共に以下に列記しておく。
まずは御幸橋を渡って最初に踏み込んだ御幸通り(下町通り)の端っこからの街並み、一番手前には荒物屋が、その二階の壁は塗り籠められて窓が無いのは何故だろうか、防火のためといっても小さい明り取りぐらいはあってもと思うんだけど。
御幸通りに入ったところから
荒物屋は古い街に似合う
大分は竹細工も有名だが民具も
日田は杉の下駄
いくつかの家の軒先には変な輪にした飾りがあって、もう正月飾りでもないのに何かと思ったら魔除けのオマジナイだそうで、7月の祇園祭りが終わると山鉾の飾りを貰ってそれからの1年の家の安全のためを願ってということだそうで、こういうものは初めて見た。
不思議な飾りだねぇ
日田の雛飾りの有料展示で最初に見たのが日田醤油が商品を並べる店舗の奥の座敷、バスガイドさんが一番多くの雛を所狭しと飾っていて見事だということで。店先は醤油などの売店となっていて、そこにもおきあげ雛などの展示があり、奥の有料展示の入口からも誘うように雛飾りがこちらに向かって見られるように並べられている。
店舗にもおきあげ雛が
天領ひな陣屋入口
入口すぐの展示
開場少し前だったけれど我々団体が来たからどうぞどうぞとなって、この奥に入った座敷の雛飾りが量と質の両面で凄い、皆さんかなり圧倒されていたようです、一ヶ所でこれだけというのは初めて見るものであった。こういう集中的に所狭しという展示にはもうビックリ、新潟の村上や関東の真壁のように古い町家毎の無料の展示を見て回るのも面白かったが、これだけの展示があると有料でも納得しちゃうし、もうこれ以上はいいかという気にもなるぐらいだ。
座敷にはこんな様子に
別の座敷
奥まった場所にも
さらに別の座敷に
立体の変な飾りが
古い立雛も
250年前の享保雛
200年前の古今雛
250年前の古今雛
西陣織の着物の雛
立ち姿というのは珍しい
ミニチュア雛も
土人形の雛も