正月(2019年1月)なので我家の居間の小スペースに女房が活けた菊の花、そこに使った鉢は会津本郷は宗像窯の鯟鉢ミニチュアもの、ちょっと雰囲気がいいでしょ、我家ではこういう使い方をしております。
本郷焼は磁器が多いのだが宗像窯は代々続く民芸陶器の窯元で、6代目がブリュッセル万国博覧会に出品した会津地方独特の鯟鉢が大賞を受賞し一躍有名になったとか、かの柳宗悦が河合寛次郎、浜田庄司やバーナード・リーチなどと共に訪れ激励したという。7代目の奥さんがこの民芸陶器を高級ものに仕立てる戦略で成功させたシッカリ者と聞いたが、今は本郷焼では群を抜いて高いものになってしまった。
僕はまだそれでもお小遣いで買える値段でかなり大きい鯟鉢を買ったのはもう20年も前、その後に旅館や食事処の灰皿で見かける小さな鉢なども温泉目当ての会津の旅の途中で窯元に立寄って買ったり、さらにコーヒーカップやぐい呑に中皿なども手に入れた程に好きな焼物なのだがもう高くて、現在は8代目が当主で日本橋三越の伝統工芸展でも入賞している。
地元には本郷焼会館があって全部の窯元の作品を並べて直売しているし、8月第1日曜日夜明と同時に開始の陶器市もあるから焼物好きなら会津旅行に組込むのはどうですか、このほかの窯では富三窯の先代の美しい椿絵の磁器は女房の好みだったが、失礼ながら今の人は絵はあまり上手くなさそうだな、抽象的な色の組合せとなっていたから、頑張ってくださいと願いますが、また酔月窯も丈夫な磁器で重宝するはず、お手頃値段で人気らしくよく土産物屋でも見かけます。
2009年1月版から再掲なのでこの文章以上に昔のこととして読んでください