二日目は湯沢横手方面まで北上して、この前6月の秘湯を巡るツアーでこんな蔵の街があるのと知ったけれど、近くを素通りした増田というところをメインに観光しようかと、宿の主人に湯沢から新庄までの所要時間を聞いたら1時間ちょっとというので、それなら泥湯に立寄り湯しても増田での観光時間はタップリとれそう、泥湯経由で小安峡までの道沿いは今が紅葉真っ盛りということで、天気も気温も文句なしで初めてとなるコースを楽しみましょうと、二日目の宿がある肘折温泉までの行程は初日みたいにアクセクせずにいろいろと巡っていくこととした。
鷹の湯温泉から国道108号に出たところ、秋田杉でしょうか、見事にまっすぐに立つ
泥湯方面の標識で右折して山越えの道に、結構クネクネしてはいるが道幅は十分あるので問題はありません、と昇っていくうちに木々の間から何か白いものが見えてきた。何だろうと思ううち、大きく現れてきたのはそこだけが真っ白い山容で煙も数か所から噴出している荒涼とした風景。この前のツアーでも子安峡近くの道路標識だけを見かけた川原毛地獄です、恐山と立山とともに日本三大霊地と言われるが、火山の噴気が見られる場所はいくつか見ているがこんな異様な山の光景は初めて見る、後生掛温泉のドロ坊主地獄ともまったく違う、硫化水素が匂う只々白い世界は周囲の樹木のある山に囲まれてよくぞできたものだと驚かされる。遊歩道はあるけれど風向きによっては危険じゃないかと、上から眺めるだけでも十分に自然の驚異を味わえます。
何か白いものが見えてきて
こんな光景は初めて見た
写真だと雪山みたいだがガスが噴出
川原毛地獄からは下り坂となって、間もなくで泥湯温泉が最下部に見えてくる。ここは川原毛地獄の麓、白い裸の土地もあってその一部でもあるのでしょうか、周囲は紅葉の山に囲まれて湯けむりがという秘境の趣、秋田県の秘湯にはこういうロケーションはいくつかあるがここも、泥湯温泉も奥山旅館だけの一軒宿かと思ったが近くに湯けむりをあげる木造家屋もあった、温泉が無ければただの荒れ地と見捨てられていたような僻地ですね。
川原毛地獄から下って行って
奥山旅館
奥山旅館での外来入浴は10時からとなっていたが、その前からもう客が入っているようで、売店事務所には不愛想なおじいさんが居たので料金を払って、10時前から入れたのは平日で宿泊客が少なかったからかも。ここの温泉は宿泊棟とは別棟となっていて、さらに内湯と大露天風呂も分かれているのは立寄り湯では女性だとイチイチ着替えていうのも不便そう、それで内湯には半露天も設けられていて、立寄り客は内湯だけでも紅葉が眺められるようにはなっている。どちらの露天浴槽からも目の前の山の紅葉が最高の時期で、白く濁って名前通りの泥湯に浸かりいい湯だな気分を、こちらは単純硫黄泉かと思うが分析書が無かったので。
内湯と露天のある天狗の湯
大露天の新湯
泥湯温泉から小安峡近くでR398に出るまでの道筋も紅葉が見事で、加えて眺望が利くところもあって雄大な景色も、そして山を下りていけば稲庭うどんの里はこの前のツアーでも来たところ、その湯沢を通過して横手に入ったところにある増田には11時半前に到着、ここには無料の駐車場がありました。
黄色に赤が少し混じる
小安峡手前で
山並みが見えて雄大な眺めが
無料駐車場からは徒歩で回れる範囲を巡ろうかと、メインの通りには内蔵をもつ屋敷がかなりあって、全部は見られないものの主要なところは観光案内所で聞いてと蔵の駅なる屋敷まで、その途中でも道路側の1Fは商店風に改築しているもののそれらしい建物が、その先には朝市通りなんて場所も。
昔どおりに戻した方がいいと思うが、ここも内蔵を公開中の看板が
12時近くでもう店終いや片付け中の店が多かった、食料品だけでなく鍛冶屋の生活用語なども、2と5と9の日に開催とか
蔵の駅も内蔵がある商人屋敷に設けられていて無料公開している、造りの説明パネルや周辺の主要な内蔵の紹介VTRも流されていて、これでどちらを見て行こうか決めて回ることに。
一番左が蔵の駅、これらは改装されていないからいい感じ
まずは蔵の駅の屋敷内から。
細長い造りの屋敷内の説明パネル
ミズヤ側から表側を
障子の造りが面白い、右は市松模様に開いているが、スライドすればその左のように閉じられる
ミズヤ側から内蔵側を
ミズヤ、戦後に改修したものと思われる
井戸が中に、作り直していますね
内蔵は座敷蔵となっている
立派な座敷が
裏手には庭があって、外蔵も別にある
次は300年以上代々が住み続けているという佐藤又六邸を、こちらの内蔵は二つあって、通常は建物の半分より奥にだけある蔵に加えて、町内の防火区画形成のために道路側まで達する内蔵をこの家だけが増築したとか、このあたりでも有力な豪商だった家だそうだ。有料200円で奥さんが説明をしてくれます。
佐藤又六邸
奥の古い方の内蔵、増田で一番古い蔵、古くは白漆喰だった
表側の蔵には2Fに外廊下があって街並みを見渡せるが、江戸時代にはこんな見下ろすようなところは造れなかったはず
新しい方の内蔵の棟を支える造り
町内には造り酒屋の日の丸醸造があってまんさくの花という銘柄は聞いたことがある、こちらも有料200円となっているが、お酒を買えばその分値引きするという、試飲もできます。
日の丸醸造
三所神社の梵天まつりで勇ましく掲げて奉納するものだそうだ
内蔵入口
こちらの扉は豪華な造り
内蔵内部
ヒバの列柱
二階へ、窓以外は通しでヒバ柱が
棟
ここまでで昼も遅めとなったからと近くの十文字ラーメンでもと、日の丸醸造でおすすめ店を2店ほど聞いて、最初に行った店は定休日でもう一つの三角そばやという店に。始めて食べるご当地ラーメンだが和風の魚出汁でアッサリ味、悪くはないが同じ系列なら僕は米沢ラーメンのほうが好み、同様の縮れ麺でもやや麺の触感がザラつく感じ。
三角そばや
中華そば
そのあとももう一つの内蔵をと戻って、無料で見られるという佐藤養助漆蔵資料館に、入ってすぐは稲庭うどんの販売所と食事処だがその奥の内蔵が見られる。
佐藤養助漆蔵資料館
こちらは建物内でも入口近くに井戸が
内蔵入口
奥には立派な座敷が、木部は漆で光っている
階段の造りも素晴らしい
2Fは佐藤養助家の資料館となっている
棟の造り
外回りも立派な造り
裏手の扉と石造りの階段
増田の内蔵は通常の蔵とは違いますね、蔵の街として有名な喜多方や川越でも座敷蔵や店舗蔵があるが、こちらの雪国らしい内蔵というのは別格の存在です、室内なので最高級に豪華な造りをしていて抜きんでています、いやご立派ご立派。
そのあとはツアーでも立ち寄った道の駅十文字にも、今回は帰るのが二日後なのでまだ買わないほうがいいものがほとんどで。
道の駅
直売所、品数は多いです
午後2時半近くなって、新庄経由肘折温泉までは2時間ぐらいかかるだろうと観光は切り上げて山形県側へと、新庄までには東北中央自動車道となる高速の一部が無料供用されているところがあって、意外と順調に走れます、新庄市街を抜けて本合海からはよく知っている道に、肘折温泉には午後4時過ぎに無事到着、この時間でも我々が最後のほうで駐車場では最後の一台となったみたい、今日も満室のようですね。
鳥海山らしきが
新庄手前では自動車専用道路がかなり