小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

岡井隆を悼む

2020年07月12日 | エッセイ・コラム
7月10日、歌人の岡井隆が逝去した。92歳、長命であったのは自身が医者であり、養生に長けていたからだろうか。戦後短歌界にあってつねに前衛にゐ、西に塚本邦雄あれば、東に岡井隆ありと、この二人の巨星はともに、短歌の韻文としての表現を極限にまで高め、琢磨した。小生の若い頃、塚本邦雄の表現には憧れと畏れを抱いた。一方、岡井のそれは、思想性のある前衛短歌だと認めるも、一冊の歌集も読んではいない。今、唯一もっ . . . 本文を読む