月夜彦

堀川アサコさんの『月夜彦』を読みました。

散楽舞の小槌丸は、姫御膳たちを食い殺した千貫文の賞金首として検非違使の判官に追われていた。
しかし小槌丸は、本来、今、美しい装束を来て寝殿の奥にこもった実兄と
同じ扱いを受けてもいい身分の者だった。
彼を今のような立場に追いやることとなった宮中の人々の様々な思惑とは？
また彼のたくらみは叶うのか？

宮中の人々の血で血を洗うような争いは、どんな魑魅魍魎よりもおぞましいものだと感じられました。
また権力を得るために、様々な人々が様々な手段を使うところは、いじましいものを感じました。
そんな中では、美しく穢れなく育てられたはずの姫君たちも、いびつになってしまうはずですよね。