和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

「『時』に耐えられてこそ本物です」

2012年11月25日 07時11分18秒 | 今日の俳句
     名字の言

【聖教新聞・2012年 (平成24年)11月25日(日)より転載】


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(11/25)
 今月初め、婦人部の友が主宰するステンドグラス工房の作品展に出掛けた。
彼女は病魔と闘う中、昨年の東日本大震災に襲われた。
幾多の試練を乗り越え、迎えた展示会だけに、喜びもひとしおのようだった



ステンドグラスをあしらった電気スタンド、ついたて、置物……会場に並ぶ数々の作品。
「震災後の短期間で、よくも、これほどの新作を」と驚きを伝えると、彼女は言った。
「じつは、ここには震災前の作品がたくさんあります。
地震で全ての作品が倒れましたが、わずかに一部が破損した程度で済みました」



材料として使うガラスは、衝撃に弱い。だが、彼女の作品は、見た目では分からない部分に、十分な補強を施すのが特徴だ。
だから倒れても壊れない



「見えないところで手を抜くのは二流です。
『時』に耐えられてこそ本物です」。
彼女の作品には“弱いから、強くする”のではなく、“本物であればこそ、強くなくてはならない”との信念が宿っている



人の生き方も同じであろう。
重圧などの試練の時こそ、真価が試される。
思いもよらない苦難に耐え、勝ち越える強さ――そこに、人間の真の偉大さが表れる。
ステンドグラスのぬくもりに映える彼女のほほ笑みにも、それを見る気がした。
        (城)


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