和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

勇将40/小説「新 ・人間革命」

2013年03月30日 05時22分14秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)3月30日(土)より転載】



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勇将40(3/30)

 正午過ぎ、山本伸一は、四国研修道場を出発し、高松市福岡町の四国婦人会館を訪問した。
婦人部の幹部から要請があり、訪問して、記念植樹を行うことになっていたのだ。この会館は、婦人会館になる前は、高松会館といったが、かつては四国本部として、全四国の中心となってきた建物である。
会館の広間には、二百人ほどのメンバーが集い、伸一の到着を待っていた。

 「懐かしい会館です。では、一緒にお題目を唱え、それから記念撮影をしましょう」

 三回に分かれて写真撮影した。伸一は、皆を前に出し、自分は後列に立った。

 「先生! 前列の真ん中にいらしてください」という声があがった。

 「いいんです。皆さんを守るのが会長なんですから、後ろから見守っていたいんです」

 撮影のあと、伸一は、子どもたちは前へ来るように言った。
幼児から高校生まで、三十人ほどが彼を囲んだ。

 「皆さんにお会いできて嬉しい。私は、後を継いでくださる皆さんがいるから安心なんです。
お母さんやお父さんは、わが子の成長が最高の希望であり、最大の喜びなんです。
だから、子どものために必死に働く。

 私も同じ思いです。皆さんのために働き、命懸けで道を開きます。
最愛の子どもである諸君のためなら、何もいといません。何も惜しみません。何も恐れません」

 スイスの大教育者・ペスタロッチは、子どもたちに呼びかけた。

 「友よ、兄弟よ、私の心は諸君に対する無限の信頼に高鳴っている」(注=2面)と。

 それは、まさに伸一の思いでもあった。

 その子どもたちのために、何をし、何を残すのか――常に彼は、そう自らに問うていた。

 伸一は、一人ひとりに声をかけ、好きな勉強や将来の希望などについて尋ねた。

 「みんなに童話を話してあげたいんだけれど、今日は時間がないんだ。また会おうね」

 このあと桜を植樹し、婦人会館から二百メートルほど離れた四国文化会館に向かった。

※ 小説『新・人間革命』の引用文献
  注  「学園講演集」(『ペスタロッチ全集第三巻』所収)四本忠俊訳、玉川大学出版部=現代表記に改めた。


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