和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

薫 風(五十二)小説「新・人間革命」

2012年03月29日 13時50分25秒 | 今日の俳句
    小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)3月29日(木)より転載】
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薫風52(3/29)

 輸送班のメンバーが九州総合研修所から帰って行ったあと、山本伸一と峯子は、勤行の折に、徳永明の妻・竹代の平癒を祈った。

 日蓮大聖人は、「病によりて道心はをこり候なり」(御書一四八〇ページ)と仰せである。“さらに、強盛な信心を奮い起こし、見事に病を乗り越えてほしい”と真剣に祈念した。

 それから伸一は、宝前に供えた果物を、徳永竹代に届けてほしいと、研修所にいた佐賀県男子部長の飯坂貞吉に頼んだ。峯子も「回復をお祈りしております」と伝言を託した。

 飯坂は、翌日の早朝、徳永の家を訪れた。

 彼は、果物を手渡し、峯子の言葉を伝え、なぜ、早朝の訪問になったかを語った。

 「当初、私は、今朝、研修所を出発しようと思っていました。ところが、昨夜、先生は、私をご覧になると、『今日、戻るんじゃなかったのか。早く佐賀に帰る人を探して頼んだんだよ』と言われたんです。それならば急ごうと思い、昨夜遅く、研修所を発ち、徳永さんが仕事にかかる前にお渡ししようと、こんな時間におじゃましてしまいました」

 徳永夫妻は、“先生は、佐賀の一会員のことを、ここまで気遣ってくれているのか”と思うと、涙があふれて止まらなかった。

 竹代は、暗夜のような苦悩に沈んだ心に、温かい慈愛の太陽が差し込んだ思いがした。

 励ましは、勇気の火をともす。励ましは、希望の種子を芽吹かせる。

 この日を境に、彼女の病状は、少しずつ快方に向かっていった。何日かした時、徳永は、寝息をたてて熟睡する妻の姿を見た。跳び上がらんばかりの喜びを覚えた。 伸一の佐賀訪問が伝えられた時には、竹代は健康を回復していた。二人は語り合った。

 「竹代は、先生、奥様の激励で良うなった。佐賀文化会館も完成し、先生も訪問される。感謝と御礼の思いで、会館に何か寄贈したいな」

 「そがんね。なんがよかろうかね」

 「先生は、師子王じゃけんのう。師子王を迎えるにふさわしいもんがよかばい」


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