「名字の言」10月１日（土）

「名字の言「聖教新聞・2011／10／１（土）より転載」
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　「世界にひびく韻律は　月照る限り朽ちざらむ」。日本を代表する名曲「荒城の月」を作詞した土井晩翠が作曲者の滝廉太郎を偲んだ詩の一節である


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1901年、滝は日本人男性初の音楽留学生としてドイツの音楽学校に入学するが、間もなく体調を崩し入院。翌年夏、志半ばで帰国を余儀なくされた。日本への途次、船がイギリス・テムズ埠頭に5日間、停泊した。その折、偶然にもイギリス留学中だった土井が滝を見舞った


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翌年、滝が亡くなる。「荒城の月」の作詞者と作曲者の出会いは一期一会となった。冒頭の詩は、滝の40周年の慰霊祭に駆けつけた土井がテムズ埠頭での奇遇をうたったもの。土井と滝の「荒城の月」は、月が照るたび人の心に美しく響きわたる。静穏な韻律が、月を鏡として自身を見つめるよう、心に深く語りかけてくる


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かつて、池田名誉会長は語った。「あるときは『月光』のように、清涼で穏やかな〝精神の光〟と、円満な“知恵の光”を持たなくてはならない」と。満々たる太陽の力と満月の光が調和する人材に成長を、と期待を寄せた


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今、夜空は新月から満月へ、日ごとに輝きを増す時節。日々、生命力を増しながら、月光のような慈しみの心と知恵で、友と心通う語らいを広げよう。

　　　　　　　　　(濤)


【「聖教新聞・2011／10／１」より転載】
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