和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

聖教新聞/名字の言

2012年07月29日 11時34分11秒 | 今日の俳句
     名字の言

【「聖教新聞」平成24年7月29日(日)より転載


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(7/29)
 オリンピックの幕が開いた。
栄光と挫折。
歓喜と悲嘆。
4年に1度しか巡り来ない舞台だからこそ、鮮烈なドラマが胸に焼き付けられる



五輪といえば、いつも思い出す。バルセロナ大会の陸上男子400メートル準決勝。
英国のレドモンド選手は優勝候補の一角だったが、レースの途中、足の故障でうずくまってしまう。
しかし、壊れた足を引きずり、ゴールを目指し始めた



すると、警備員を振り切って、スタンドから一人の男性が駆け寄ってきた。
彼の父親だった。一緒に見てきた金メダルの夢は破れた。
それでも必死に走る息子を、一人にできなかった。
肩を貸す父。その胸に泣き崩れながら、ゴールへ歩くレドモンド選手。
地鳴りのような拍手が競技場を包んだ



ほんのわずかの差、時の運で、スポーツの勝者と敗者は残酷なまでに分かれる。
勝った者が一番努力したとは限らないし、努力した者が必ず勝てるわけでもない。
人生もまた同じかもしれない



しかし、本当の人間としての勝敗を決めるのは、そこからどんな結論を導き出すかだ。
だから「努力してもしなくても同じ」なのか、「向上したいと努力すること、そこに人間の証しがある」と考えるのか。
答えは、17日間の熱い闘いの中に詰まっている。          (飛)



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