和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心40/小説「新・人間革命」

2015年06月17日 04時22分22秒 | 新・人間革命


【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 6月16日(火)より転載】

【革心40】

 「覚悟社」の結成にあたって、周恩来が起草したのが「覚悟社宣言」である。そこには、「革心」と「革新」の精神を根本にして、運動を進めていくことが述べられている。
 社会の「革新」のためには「革心」すなわち、心を革めることが不可欠である――そのとらえ方に、若き周恩来の慧眼がある。
 日蓮大聖人は、「ただ心こそ大切なれ」(御書一一九二ページ)と仰せになっている。心は、一切の根本をなす。ゆえに、その心を常に磨き抜いていくことが肝要となるのだ。
 社会改革がなされ、いかに優れた制度をつくり上げたとしても、それを運用していくのは人間である。
 したがって、人間の心の改革がなければ、制度は形骸化され、悪用されるという事態も起こりかねない。そうなれば、より良き社会を築くことも、人びとが幸せを享受することもできない。改革の理想は、藻屑のごとく、権力を得た者の欲望の海にのみ込まれ、消え去ってしまう。
 自身を見つめ、正すこと、すなわち「革心」なくしては、真の社会改革もない。
 「覚悟社」の青年たちは、自らの改革を怠らず、先駆的な識者などを招いて講演会を行い、懸命に、貪欲に学び、さまざまなテーマを設けて研究にも努めた。穎超は、家庭の改造の研究に取り組んだ。
 「覚悟社」では、会報『覚悟』を創刊する。政府が監視の目を光らせているなかでの出版である。
 メンバーは、危険を避けるために、番号をもとにした仮名を使うことにした。
 穎超は、会報には「壱」というペンネームで、「なぜ……?」と題する一文を寄せ、学生の思想、生き方に、鋭い問いを発した。
 「なぜ、人を軽蔑するのか?」「なぜ、人を嫉妬するのか?」「なぜ、悪い習慣に染まるのか?」「なぜ、無益な本や雑誌を見る必要があるのか?」など、学生たちの高邁な主張と、現実の考え方や振る舞いとの乖離、矛盾を突いていったのである。


■ 小説『新・人間革命』の主な参考文献
 参考文献
 西園寺一晃著『穎超』潮出版社  『人民の母――穎超』高橋強・水上弘子・周恩来 穎超研究会編著、白帝社
 ハン・スーイン著『長兄――周恩来の生涯』川口洋・美樹子訳、新潮社



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