和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

映画監督「小津安二郎」

2012年11月30日 08時37分12秒 | 今日の俳句
     名字の言

【聖教新聞・2012年 (平成24年)11月30日(金)より転載】        


  ◇◆◇◆◇◆

(11/30)
 戦前から戦後にかけてメガホンを取った映画監督の小津安二郎。
人々の心が荒んだ戦後の混乱期にあって「長屋紳士録」「晩春」など、戦前と変わらず、一貫して庶民の美しい心を撮り続けた



時に懐古趣味との批評を浴びた監督は、“確かに今の世相が汚いのは現実”とした上で、「それと共につつましく、美しく、そして潔らかに咲いている生命もあるんです、これだって現実だ」と主張。
「泥中の蓮を描きたい」と、最後まで人間の美徳を描く姿勢を貫いた(『僕はトウフ屋だからトウフしか作らない』日本図書センター)



泥と無縁の花々にも幽玄、華麗を味わうことはできる。
だが監督は、強くたくましく生きる「泥中の蓮」に美しさを見いだしたのだろう



法華経では、末法の民衆救済を誓った地涌の菩薩を「世間の法に染まらざること 蓮華の水に在るが如し」と喩える。
蓮華は泥土から養分を吸収して成長する。
泥土の中で美しい華を咲かせる。
同じように、欲望や争いの渦巻く社会の中で、妙法の輝きを放ちながら人々の幸福に尽くす。
この実践が、蓮華の華のような福徳となって、わが心に咲き薫る



蓮の花言葉は「雄弁」。
誠実に、真っすぐに正義を語り、友情の大輪を咲かせゆく師走としたい。
        (弘)


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