【常楽49】法悟空 内田健一郎 画 (5737)
山本伸一は、人生の年輪を刻んできた同志に、信心の見事な実証を示してほしかった。
晩年における最高最大の信心の実証とは何か――財力や地位、名誉等ではない。ありのままの人間としての人格の輝きにある。
皆を包み込む温かさ、人を思いやる心、大いなる理想への不屈の信念、飽くなき向上心――それらが育む精神の光彩こそが、人格の輝きといってよい。
それは、紅葉の美に似ているかもしれない。木々は、深雪に耐えて芽を出し、天高く伸びよう伸びようと枝を張り、葉をつけ、灼熱の太陽に自らを鍛える。やがて、その帰結が炎の紅葉となる。そして、葉が落ちる瞬間まで、自身を赤々と燃やす。見る人に幸せを送ろうとするかのように。
紅葉は人生の晩年の象徴であり、生の完全燃焼がもたらす、鮮やかな彩りの美といえよう。その円熟した美しさは、青葉の青春に勝るとも劣らない。
信心の先輩たちが、人格の光彩を増し、人びとから慕われ、信頼、尊敬されていくならば、それがそのまま、広宣流布の広がりとなっていく。そうした方々の存在こそ、全同志の誇りであり、創価の無上の宝である。
指導部の歌「永遠の青春」の歌詞と楽譜が「聖教新聞」に掲載された十一月十日、同紙の山梨版には、やはり山本伸一が作詞した山梨の歌「文化と薫れ」が発表された。
この歌は、当初、地元の有志が歌詞の制作に取り組み、仕上がった案を伸一のもとに届けた。しかし、山梨の県長自身も満足できないらしく、「山本先生に歌詞を作っていただければ……」とのことであった。
伸一は、届けられた歌詞を参考に、“皆の要請ならば、精いっぱい応えよう”と、作詞に取りかかったのである。
「創価文化の日」の記念行事が行われた十一月三日、歌詞を完成させ、山梨の同志に伝えた。ただちに、作曲担当者が曲作りに取りかかり、歌の誕生をみたのである。
【「聖教新聞」2016年(平成28年)2月29日より転載】
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山本伸一は、人生の年輪を刻んできた同志に、信心の見事な実証を示してほしかった。
晩年における最高最大の信心の実証とは何か――財力や地位、名誉等ではない。ありのままの人間としての人格の輝きにある。
皆を包み込む温かさ、人を思いやる心、大いなる理想への不屈の信念、飽くなき向上心――それらが育む精神の光彩こそが、人格の輝きといってよい。
それは、紅葉の美に似ているかもしれない。木々は、深雪に耐えて芽を出し、天高く伸びよう伸びようと枝を張り、葉をつけ、灼熱の太陽に自らを鍛える。やがて、その帰結が炎の紅葉となる。そして、葉が落ちる瞬間まで、自身を赤々と燃やす。見る人に幸せを送ろうとするかのように。
紅葉は人生の晩年の象徴であり、生の完全燃焼がもたらす、鮮やかな彩りの美といえよう。その円熟した美しさは、青葉の青春に勝るとも劣らない。
信心の先輩たちが、人格の光彩を増し、人びとから慕われ、信頼、尊敬されていくならば、それがそのまま、広宣流布の広がりとなっていく。そうした方々の存在こそ、全同志の誇りであり、創価の無上の宝である。
指導部の歌「永遠の青春」の歌詞と楽譜が「聖教新聞」に掲載された十一月十日、同紙の山梨版には、やはり山本伸一が作詞した山梨の歌「文化と薫れ」が発表された。
この歌は、当初、地元の有志が歌詞の制作に取り組み、仕上がった案を伸一のもとに届けた。しかし、山梨の県長自身も満足できないらしく、「山本先生に歌詞を作っていただければ……」とのことであった。
伸一は、届けられた歌詞を参考に、“皆の要請ならば、精いっぱい応えよう”と、作詞に取りかかったのである。
「創価文化の日」の記念行事が行われた十一月三日、歌詞を完成させ、山梨の同志に伝えた。ただちに、作曲担当者が曲作りに取りかかり、歌の誕生をみたのである。
【「聖教新聞」2016年(平成28年)2月29日より転載】
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