≪2016年(平成28年)3月9日(水)≫(旧暦2/1)
草の葉も入れて活けおく小鮎かな
松本翠影
若鮎の覗いて過る生簀籠
柴崎甲武信
若鮎のうす墨の香を一夜の灯
渡辺桂子
若鮎を一気に仕留む鵜の妙技
宮崎左智子
若鮎の水脱ぎ捨てて堰を越す
田中春生
※ 若鮎・小鮎・鮎の子・上り鮎。
川で産まれ、海で育ち、桜が咲く頃川を遡ってくる体長四~六センチメートルの小さな鮎のこと。
日本で最も早く鮎解禁になるのは兵庫県加古川市で四月十五日、大体は六月一日なので俳句に若鮎の詠まれる期間は短い。
「鮎」とだけいえば夏。「渋鮎」「下り鮎」は秋。若鮎のはつらつとしたさまは清例そのものである。 →鮎汲・鮎(夏)。
【「新版・俳句歳時記/第四版/監修・桂信子ほか」(雄山閣)より転載】
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【聖教俳壇】
◆坪内稔典選
龍馬忌の空青いぜよ寒いぜよ
(埼玉県)足立亢
【評】土佐言葉を巧みに使って龍馬を目の前に出現させた。うまい、うまい!「空青い」は龍馬の心のさま。
大空の落とし物かな竜の玉
(埼玉県)池田光子
【評】この句も「大空の落とし物」というたとえがとてもうまい。「野を焼いた匂いの男女、君と僕」は、たとえを使った私の句。
木枯にタコヤキ踊る口の中
(大阪府)松岡広行
冬夕焼やがてひとりのふたりかな
(大阪府)磯崎礼子
美容師と私と猫と日向ぼこ
(岡山県)武村美枝子
空の青透けてまぶしき霜柱
(大阪府)菅原イツヱ
弥生式住居の跡に冬来たる
(兵庫県)高橋雅之
◆田中亜美選
初霜に犬の足跡ありにけり
(埼玉県)町田節子
【評】さっそく早朝のお散歩に出かけたのでしょうか。寒さに負けない犬の足跡が、霜の道を歩く私たちにも、冬の楽しさを教えてくれているようです。
ひとり居の冬の小さな息づかひ
(鳥取県)表いさお
【評】外出がおっくうになる冬。ひとりのゆたかな時間を満喫しています。助詞「の」が二つ重なることで「息づかひ」の静けさが効果的に伝わります。
はく息の白さの先にビワの花
(佐賀県)迎八重子
枇杷の花ウクレレの音の響く庭
(千葉県)羽物美知子
歳晩や背伸びして干す濯ぎ物
(東京都)阿部カオル
スッピンもいけるじゃないか初鏡
(新潟県)中島貞男
年賀状ストックケースや六センチ
(埼玉県)関根清志
投稿規定
選者指定の上、はがき1枚に3首(句)まで、未発表の自作に限ります。短歌と俳句を併記しないよう、また、他社との二重投稿にならないよう、ご注意願います。掲載に際し、選者が添削する場合があります。宛先は〒160-8070 聖教新聞編集局「歌壇俳壇係」。住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記。メールで投稿する際は、〈kadan-haidan@seikyo-np.jp〉まで。件名に選者名(1人のみ)を明記。採用分には全国共通図書カードを贈呈。掲載された原稿が当社のウェブサイトに掲載されることもご了承ください。
【聖教新聞:2016年(平成28年)2月24日付】
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※☆*わが友に贈る*☆※
多彩な世代が集う
我らの座談会は
人間性輝く触発の広場!
にぎやかに 率直に
希望と歓喜の語らいを!
2016年3月9日
※☆*寸 鉄*☆※
会長の対話の精神に学べば人間愛の世界築ける―韓国元首相。希望の大道
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中国方面「女性の日」。師弟誓願の天地に輝く人材城!婦女一体で友情拡大
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信心が溜まり水のようになるな!―恩師。清流の如く。幹部は常に成長を
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「友人葬」に共感の声。真心の題目こそ最高の追善。儀典部の献身に感謝
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岡山で、こども首脳会議。良き社会へ「できる事から行動」と。大人が模範に
【聖教新聞:2016年(平成28年)3月9日(水)付】
※☆*名字の言*※
1950年~60年代の邦画を見ると、会話のテンポが緩やかで、言葉の間もずいぶんとある。中でも、小津安二郎監督の映画で、茶の間で話をする場面を見てほしい――小説家の古井由吉氏は言う(『考える方法』ちくまプリマー新書)
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確かに、一言一言が心に染み入り、互いの思いが深まっていくようだ。「そういう『話の空間』を持てる人は幸せです」と氏は語る
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群馬のある壮年は中学時代、激しいいじめに遭った。進学した職業訓練校でも、心ない仕打ちを受ける。逃げるように、就職も遠地を選ぶが、心は閉ざしたままだった
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ある日、座談会に誘われた。体験を赤裸々に語り合う姿に温かさを感じ、後日、誘ってくれた友人に、人生の来し方を打ち明けた。目を潤ませ話を聞いた友人は、しばしの沈黙の後、言った。「よく頑張ったね」。彼の幸福を祈り続けてきた誠実さが、一言に詰まっていた。「一緒に人生を歩もう」との呼び掛けに素直に入会した
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その壮年は一昨年、地区部長に。人に心を閉ざした彼が、励まされる喜びを知り、今は自分が励ます側に立つ。壮年の頑張りで、地区に20人の壮年勇士が誕生した
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祈って、話を聞き、真剣に答える――心を砕いた対話が、心を動かす。思いの深さは、弁舌の巧みさに勝る。(江)
【聖教新聞:2016年(平成28年)3月9日(水)付】
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