和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心22/小説「新・人間革命」

2015年05月25日 07時35分11秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 5月25日(月)より転載】

【革心22】

 人民公社の随所に、白地に赤い文字や、あるいは、赤地に白い文字で、スローガンが大書されていた。

 上海の空港にも、「世界人民大団結万歳」と書かれていたが、人民公社にも、同じスローガンが掲げられていた。

 山本伸一の目を引いたのは、「華国鋒主席と共に新しい長征を始めよう」という意味のスローガンであった。

 中国では、文化大革命にピリオドを打ち、華国鋒主席と共に開始する「四つの現代化」を、「新しい長征」ととらえていたのである。

 伸一は、人民公社で働く青年に尋ねた。

 「あなたにとって、『新しい長征』とは、何をすることですか」

 すかさず答えが返ってきた。

 「この人民公社での仕事を通して、現代化を支えることです。人民のために、働き、努力し、工夫し、人びとの暮らしを豊かなものにすることです。

 私たちの世代は、長征に参加することはできませんでした。しかし、今、人民に尽くそうと、武器を工具に替えて戦っています。そこに、〝長征の精神〟があると思います」

 清らかな瞳の青年であった。

 「すばらしい決意です。崇高な心です。感嘆しました。未来は、あなたたち青年の双肩にかかっています。健闘を期待します」

 伸一は、こう言うと、訪中団のメンバーに語った。

 「これから中国は、大発展していくよ。青年が真剣だもの。現代化に対する皆の覚悟を感じるもの」

 その国の未来を知りたければ、青年と語ればよい。青年に、人びとのため、社会のために尽くそうという決意はあるか。向上しようという情熱はあるか。努力はあるか――それが、未来のすべてを雄弁に語る。

 この十二日の午後には、一行は、上海の楊浦区少年宮を訪問した。少年宮は、少年少女のための課外活動の施設で、上海には、各区に、それぞれ少年宮があるという。



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