和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

奮迅47/小説「新 ・人間革命」

2013年06月28日 07時36分24秒 | 今日の俳句
    小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)6月28日(金)より転載】


奮迅47(6/28)

 戸田城聖は、山本伸一を凝視して語った。

 「君には、川越地区のこと以外にも、さまざまな活動の重責を担ってもらおうと思っている。
これから何かと忙しくなるだろうが、埼玉は大事だ。
だから、本腰を入れて、川越地区の建設に取り組んでくれ給え。

 御書を通して、深く信心を打ち込み、人を育てるんだ。
組織を強化するには、人材の育成しかない。

 これは、地味だが、七十五万世帯達成のカギを握る大切な作業になる。
できるか!」

 伸一は、間髪を容れずに応えた。

 「はい! 全力で川越地区の建設にあたってまいります」

 戸田は目を細めて、嬉しそうに頷いた。

 伸一は、師の構想を実現するうえで、極めて重大な責任が、自分の双肩にかかっていることを感じた。

 “この御書講義は、師の願業を実現するための、突破口を開く戦いの一つなのだ!

 もし、これが成功しなければ、先生の広宣流布の構想は、緒戦からつまずいてしまうことになる。
弟子として、そんなことは、絶対に許されない!”

 伸一は、仕事と学会活動の合間を縫い、講義する御書を研鑽した。
何十回と拝読し、わからない箇所は徹底して調べ、思索に思索を重ねた。

 “戸田先生の「名代」として講義に行くのだ”と思うと、緊張が走り、研鑽にも、唱題にも力がこもった。

 一九五一年(昭和二十六年)の九月二十五日、第一回となる川越地区御書講義の日を迎えた。
夕刻、大東商工の事務所で、川越へ向かう伸一に、戸田は言った。

 「講義の一回一回が勝負だぞ。
“これでもう、川越には来られないかもしれない”という、一期一会のつもりで臨みなさい。

 講義は、真剣で情熱にあふれ、理路整然としていなければならぬ。
そして、仏法に巡り合い、広宣流布に生きることができる歓喜を、呼び覚ませるかどうかが勝負だ」

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