和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

共 戦(二十四)新・人間革命

2011年12月09日 13時29分17秒 | 今日の俳句
  新・人間革命

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 共 戦(二十四)

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 山本伸一は、懇談会で、山口県婦人部長の直井美子に視線を注いだ。

 「確か、直井さんのご一家も、山口開拓指導の時に入会したんでしたね」

 「はい。そうです。昭和三十一年(一九五六年)十月の最初の開拓指導で、義母をはじめ、一家で入会しました。夫が本気になって信心をするようになったのは、その翌月、防府に来られた先生とお会いしてからです」 

「ご主人との最初の出会いは、よく覚えています」

 直井の夫である輝光は、老舗の荒物店の店主であった。三代目の彼は、商売に身が入らず、夜ごと、友だちと連れ立って飲み歩く生活が続いていた。それを悩み抜いていたのが、彼の母・千寿であった。 

開拓指導の派遣メンバーから、仏法の話を聞いた千寿は、信心をしようと決め、嫁の美子も、息子の輝光も、一緒に入会したのだ。美子は千寿と共に信心に励んだが、輝光は、真面目に信仰する気などなかった。 

翌月、防府に伸一が来た時、輝光は、学会員に迎えに来られ、仕方なく、座談会に出席した。二十人ほどの人が集まっているところに、

「やあ、楽しそうだね」

と言って、一人の青年が入ってきた。伸一であった。 年齢は、自分より三、四歳ぐらい上にすぎないはずだが、その風格に気圧された。

 さらに、語り始めると、その言葉には、日本を、世界をどうするかという、大きな気概と情熱があふれていた。輝光は、同じ青年として、にわかに恥じらいを覚えた。

 輝光を連れてきた学会員が、伸一に彼を紹介した。伸一は、親しい友人に話しかけるように、率直に語り始めた。 

「直井君は、何も悩みのない顔をしているね。物事に正面から立ち向かい、悩み、もがいて、前に進もうという覇気が感じられないんだよ。それでは、本当の力も発揮できないし、人生の醍醐味も、信心の力も、わからずに終わってしまうよ。せっかく入会したんだから、とことんまで信心してみようよ」


【「聖教新聞」平成23年12月9日(金)より転載】
http://www.seikyoonline.jp/

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