和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

ある女性オペラ歌手/名字の言

2012年10月24日 13時29分39秒 | 今日の俳句
     名字の言

【聖教新聞・2012年 (平成24年)10月24日(水)より転載】


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(10/24)
 ある女性オペラ歌手が、コンサートツアーで全国を巡る最中に、最愛の母を亡くした。
北海道に赴いた時、ナナカマドの木々が並ぶ景色を目にする。
それは、母が好きな木だった



「ああ、お母さんだ」。
悲しみの中、空へ伸びて立つ木に、一番の理解者であり、ファンでいてくれた母の姿を重ねた



そして、彼女はステージに立った。
母が自身の希望の存在だったように、“一人でもいい、自分の歌声で誰かを励ませるなら”との思いをこめて。
会場に響いた彼女の歌声は、普段よりも一層、聴衆の心を強く打ったに違いない



駆け出し記者のころのこと。
先輩から「君は誰のために書くのか?」と問われた。
「全国の読者です」と答えると、先輩は言った。
「今、君が一番励ましたい、苦しんでいる人を思い浮かべて書くんだ」と



「人類全体を愛するようになればなるほど、個々の人間、つまりひとりひとりの個人に対する愛情が薄れてゆく」(原卓也訳)。
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の一節を引きつつ、池田名誉会長は、こう語った。
“抽象的な「人間愛」を語るのは簡単だ。
具体的な「一人」から離れず、「一人」を幸福にするために創価学会は戦ってきた”と。
本紙の使命もまた、その一点に。
(仲)


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