オストメイトで山賊と海賊・・・銀座のコテコテ周旋屋のよもやま話

去年は100の山を愛し、今年は108の山に恋をする。
夏は太平洋の大波で泳ぎ続け、日本の自然を愛して66年。

外房で泳がず夏山で虫を吸い込む

2018-08-27 10:23:45 | 登山と遠泳


 空が明るくなりつつある時刻に、目が醒めた。
 まずい、仕事の疲れからか、海で泳ぎ過ぎた疲れからか、寝すぎてしまった。
 こういう時は、山梨の2000mくらいの山歩きをする。
 で、のんびり5時過ぎに出発した訳だが、いつもの下山予定の12時~1時、甲府盆地は猛暑の予想だった。
 尾根で20度超えてるだろうことは覚悟していたが、落石・倒木だらけの、車1台がやっとの林道を走ってる頃には、すでに25度くらいになっておった。
 それでも富士山やアルプス・八ヶ岳・金峰・甲武信はよく見えておった。
 ガルモントの新しい登山靴を持って出たが、森の匂いで泥道もありそうだったので、車に積みっぱなしの補修でボロボロになってるノースフェイスの靴でスタートした。
 外観は酷いもんだが、ソールとヒモ類は自分で補修強化してある。
 1年でだいたい一足は履きつぶし、肝心な部分が大丈夫だったら、悪路用に補強する。
 きっと混雑してるんだろう人気の山々を眺めながら、登り始めから尾根道に出るまで誰にも出会わない、いつもの不人気閑散ルートで、とぼとぼと登って行った。
 どこも不人気なのは、登山口までが厄介でおっかない行程だからだけんども、そのぶん静かな奥山歩きが出来る。
 登山者が遭難したり行方不明になりやすい山は、不明瞭な道迷いしやすい登山道ばかりだが、そういうのに慣れてる爺にはなんということもなく、キッチリ油断せずに登れば、逆に素敵な森に出会える。
 出だしの急登はどこの山でもおなじだが、猛暑の中の急登はなんとも息が上がってくる。
 小1時間ばかり、全身から汗が噴き出して、小虫がブンブンまとわりつく中、森を泳いでいるような感覚になる。
 やっぱり外房の海に、泳ぎに行けば良かった・・・歩きながらずっと考えて居った。
 さすがに煩い小虫たちに愛想が尽きて、それでも2~3匹吸い込んでしまい、熊ん蜂でも吸い込んだら面倒だから、虫除けネットをかぶったが、木洩れ日が強くて視界がネットで遮られ、ときどき足元が危うくなったもんだ。
 モンベルだと帽子付きで5~6000円くらいするが、俺のは頑丈な森林作業用の350円、効果もナニも変わらない、阿呆らしいこった。
 登山グッズは森林作業用のモノや、修験者・山伏が工夫して考えたモノが一番実用的だが、それをまた工夫する。
 セカンドストリートみたいな中古品店で思い切り安いボロなブランド物を買い、解体して新しい小物を作ることもあるが、ブランド名だけは残るように工夫してやれば、俺のオリジナル、プレゼントしてやるとみな喜ぶんだぜ。
 そういうことも、山や海で遊ぶ人間には愉しみのひとつでもある。
 風も無い雑木林の中の急登は、頭がクラクラしてくる。
 田舎で見つけた小型の法螺貝を吹きながら歩く。
 ようやくに視界がひらけてくると、風も出て、生きた心地がしたもんだ。
 下山は隣の尾根を使おうか・・・沢から吹き上げて来る気持ちの良い風を受けて、思案した。
 ただ、林道に出てから車を停めた場所まで結構な距離を歩かんきゃ~ならんから、迷っておった。
 山頂のひらけた空間に出ると、老夫婦がザックを放り投げて顔に帽子をかぶり、昼寝休憩の真っ最中だった。
 別の尾根から登ってきたんだろうが、熊公も驚く甲高いイビキをかいておった。
 やっぱり、雪の無い富士山は間抜けな姿だった。
 とにかく夏山は暑いのさ。
 帰りには甲斐市の激辛キムチラーメンか、極上温泉ウナギを喰うつもりだったが、猛暑のため変更して、下道20号で大月の街に出て、辛い麻婆ナス定食が美味い四川料理の店に立ち寄った。
 激辛麻婆豆腐も喰ったが、またまた大汗をかき、鼻水・涙まで出て居った。
 なにやってんだか・・・。
 夏休み最後の日曜日、高速は混むと予想して、そのまんま20号であちこち寄りながら戻り、相模湖から中央に乗ったけんども、やっぱりしばしノロノロ運転で眠くなった。
 
 木場まで戻り、顧客から頼まれておったマンションの部屋の採寸だけ済まして、戻ったら爆睡した。
 さ~て、日焼けした顔と首が痛いが、今日からまた仕事やっぺ。