暗いうちから出掛けて奥山に登り、その帰りにアチコチに立ち寄って遊んでいると、いつも皆さん猿の衆の大渋滞・大混雑とは逆方向に動いているから、スイスイとのんびり時間を使うことが出来る。
皆さんはその途中の観光地が目当てで、メディアに踊らされて大渋滞、運転だけでゼ~ゼ~、一泊二泊で消費マニュアルに沿って動かされている訳だが、もっと深い山の奥から日帰りで戻って来る俺なんざ、反対車線から悠々と大渋滞を眺めながら、愉しく大笑いしている。
体力も精力も鍛えあげてないくせに、一丁前に自然で遊ぶなんて間抜けな連中よ。
誰かに見て欲しい、目立ちたい・・・幼児の承認願望で溢れ返って噎せ返る。
趣味はドライブ・ツーリング、ただただ走って消費している猿。
紅葉狩りだというが、狩られているのはあんたらのオツムと財布の中身だろう。
土曜日の夕方から、嫁に行ってる娘からの依頼で、幼馴染みの子が男に騙されてその後の転居に力を貸してくれというので、普段はやらないエリアで手伝ってやり、新居の契約を終えてしゃぶしゃぶ晩御飯を娘ともどもご馳走してやった訳だ。
満腹満腹で帰宅して風呂に入り、そのまんま冬山用の装備を車に積み込み、睡眠をとらずに日付が変わる時分に高速に飛び乗った。
4時間半かけて早朝のまだ暗い山道を走っていると、気温は1℃、凍結注意の表示が出ていた。
想定どおり、しっかり冷え込んでいた。
真っ暗闇な森がだんだんに明るくなり、朝焼けに染まる山々の姿が、凍てつく池の水面に刻々と映る、それを見たいだけのことだったが、綺麗だったよ。
高い山々の紅葉も全山燃ゆるという感じで凄まじいばかり、そっちは寒さと寝不足で眺めて深呼吸するだけで満足まんぞく、写真を撮る気にもならなかった。
すっかり冬になってるね。
東京とは20℃くらいは誤差がある。
まだまだ日帰りで、寝ないでこのくらいは走り、登り歩く体力があることにも安心したが、帰路に野尻湖にも立ち寄ってみたが紅葉はイマイチ、草津の湯を目指してついでに楽ちん横手山にでも登っておくか? とも考えたが、帰路の猿の混雑を考えて止めにした。
碓氷峠を越えて開いたばかりの源泉に 朝湯だ! と浸かると冷え切った身体が芯まで温まりウトウト、磔河原や碓氷関所祭りは素通りして、古い里宮の養蚕神社だけは顔を出しておいた。
サンドイッチ喰いながら、空いてる関越で明るい午後には戻って来て瞬時に爆睡したが、夜にはスプリングボクスの録画試合を見ながら腹のパウチを交換して、またとっとと寝たがな。
俺に同行するには、せめて俺以上の体力・精力を持ってないと無理なお邪魔虫になるさ。
まだ氷点下の山には身体が慣れてないがな。
人間の社会には、俺の飢えている想いを満たすものは、もはやな~んにもない。
帰路にフロントウインドウが飛び石でヒビが入ったから、その修理も自分でとっととやるわいな。
季節は巡り、おなじ場所であっても景色は刻々と変わるが、おなじ景色を見ても、その生き方や価値観で感受性や考え想うことはぜんぜん違って来る。
まず自分自身を清めるには、生まれて洗脳され続けた受け身の知識や価値観を、すべてキレイに捨て去ることから始めなければ、本当の自由や自在さは手に入らないが、ほとんどの愚かな大人たちはそのまんま生き続けて疑問を抱かない。
感受性や思考すら変わってくることを知らない猿ばかりさ。
それこそが過ちであり、満たされない孤独の輪廻と、消費によって与えられる酒や薬や娯楽への逃避の元凶ではある。
俺には、交わるモノがない。
山好きにはイロイロあり、海好きにも色々あるが、そこでも俺は浮き上がって他とは理解し合えない獣となっているようでもある。
仕事をすっぺよ。