デイト・オブ・バース「思い出の瞳」(1986)
今日はちょっと気分を変えて、アイドルから離れた音楽の話題でも。
1980年代、「インディーズ」という呼び名が音楽ファンの間に広まり始めた頃、ひょんなことから私が気に入ったバンドが、この「デイト・オブ・バース(Date of Birth)」でした。それまで、音楽といえばアイドル一辺倒だった私が、大学で知り合った変な友人の部屋に入り浸ったことがきっかけで、インディーズバンドに興味を持ち始めたころ、音楽PVの番組でこの「思い出の瞳」のPVを観て、一発で気に入ってしまいました。
この曲、どこか懐かしいながらも、斬新な音づくりと、物憂げなヴォーカルが印象的でした。でもって、PVの映像は、アメリカのアニメキャラクターの「ベティちゃん」を使った映像だったのが、忘れられません。深夜の音楽番組でよく流れていました。
当時私はこのレコードをレンタルショップで借り、テープに録音して聴いていて、レコードを持っていたわけではないのですが、当時からずっと記憶にあったのが、このレコードの帯のコピーです。「海外では有名です。デイト・オブ・バース。」このコピーは、インパクトありましたね。調べてみたら、確かに、海外のインディーズシーンでは相当有名だったようなのです。逆輸入というわけではないのでしょうが、海外で先にブレイクしていたというのが、すごいです。事実、輸入盤も存在してましたから。
ところが、当時私が住んでいた福岡では、ちょっと事情が違ってました。実はこの「デイト・オブ・バース」、福岡出身で、福岡の田舎にあるレコーディングスタジオでレコーディングをしていたという、ちょっと変わり種だったんですね。それだけに、福岡ではおなじみだったんですね。だって、早くから地元のスーパーのテレビCMに楽曲が使われていたくらいですから。福岡って、昔から音楽に関しては敏感な土地柄なんですよね。
そう、そのCMで使われていた曲の中で一番好きだった曲「スカートの丘」というのが、その後発売されたデイト・オブ・バースのアルバムに全く収録されなくて、ずっと聴けなかったんですが、このたび、「思い出の瞳」の12インチシングルをオークションで手にいれたおかげで、20年以上ぶりに聴くことができました。ネットオークションって、こういう懐かしい出会いなんかがあるので、ホント、ありがたいですね。
話を「思い出の瞳」に戻しましょう。
実はこの曲、たぶん、案外多くの人が耳にしたことあるんじゃないかと思います。最初に発表されたのは1986年ですが、のちに1992年にシングルCDとして再発されていて、その時は、石田ひかりちゃん主演のドラマ「悪女(わる)」の主題歌に使われました。このドラマ、案外面白かったですし、石田ひかりちゃんも当時輝いてましたから、案外話題のドラマだったと記憶してます。そんなドラマの主題歌に抜擢されるくらい、その頃はメジャーになってましたね。まあ、インディーズとかメジャーとか、そういう見方は好きじゃないんですけどね。
とにかく、デイト・オブ・バースの音楽は、音の宝箱のような感じがします。メロディはいたって単調なものが多いし、アレンジも奇をてらったというようなものではないんですが、どこかしら、懐かしいというか、沁み込んでくるというか、そんな音楽なんですね。なかなか、文字では説明が難しいです。
ちなみに、昨年だったか、2枚組みの総集編ともいうべきベスト版が出てます。これは一家に一枚どうですか、と言いたい優れものですね。
この「思い出の瞳」を初めて聴いてから、約20年が経ちましたが、今でも、ふと気づくと彼らの曲を聴いている40を過ぎた自分がいます。単に懐かしいというんではなく、今聴いても、なお新鮮という感じがするところが、デイト・オブ・バースの音楽マジックなのかもしれないなあ、と思う今日この頃です。
http://mega-r.com/u/freePage.php?id=box002&pid=1&breakcode=683