千鳥足こと博多のおいしゃんの独り言

暮れも大詰め

書き貯めよる「おいしゃんの博多伝」にも書くばってんが
博多の(おいしゃんの実家の場合)商家の暮れの様子ば
今日は、ちょこっと懐かしんで書きます。

うちは28日までが関東関西方面さぃ年内最後の出荷して
29日、30日と大掃除でした・・・
朝の朝礼の終わったら営業が車飛ばしてどっかから
笹竹調達してきます。

そして煤落しから大掃除の始まり・・
作業場やら事務所のてのとづかん天井のすす払いやけど
形式だけ、昔は形にとらわれますもんね。

昔は大掃除で出たごみはどこの店もドラム缶で焼きよりました。
小学生の頃はその火の番ばさせられよりました。
燃えかすの炭は下水にながして・・・
今の環境問題からすればこげなこたしたらいかんばってんが
どこの家もそげんしよりました。
追山の片付けも眠い目こすりながら全部焼いてそげんしよりましたもんね。
舁き縄は大将が正月黒豆炊くとぃて持って帰りよったばってんが
最近は持ってかえりませんね~

中学生以降は一年たまった割れ人形ば久山の埋め立て地に
捨てに行く手伝い。これは半日仕事でした・・
ある年の暮れ、大学生の頃デートの約束しとったとぃ「ゴミ捨て行って来い」
年末やけんゴミ捨て場も大渋滞で大幅に遅刻。
その頃は連絡手段に携帯も無か時代・・
バス乗ってやっと行きついたら彼女は大概お冠!
2時間近くの遅刻やもん。
彼女はそん時すでに社会人やったばってんがそれでも2時間近く
会社の前で待ってくれとりました。
懐かしか思い出です・・

30日のお昼が過ぎて大掃除はひと段落する頃
町内の消防団が杵と臼ば担いでやってきます。
それまでにもち米蒸して準備しときます。

消防団はこれが年末のご祝儀稼ぎですったい!
お重ね用が出来上がったら丸餅用ば丸めて木のトレイに並べて
暖房っ気の無か作業場に置いて保管します。

事務所始め作業場、台所にお供えば飾り
そのお供えには雑煮の具もお供えして
三が日の間、雑煮のスメばかけよりました。

商売人は作業場がすべてですけんね・・

今はほとんど見らんけど車にも〆飾りしよりました。
その他、仕事場で使う什器やらにも〆飾りしよりましたね~

子供たちにも人形屋では無かばってんが暮れの餅つきは体験させてます。
おいしゃん、子供用の杵ば作っとりましたもん。

捏ね手が経験の要ります。臼に餅がくっつかんごと
水ば手に捏ねるっちゃばってんが水の多すぎたら
臼から餅が飛び出したり水気の多い餅になって美味くなりませんと。
餅はつくより最初の捏ねが80%です。

大晦日(お江戸小説ではおおつごもり)には住み込みの従業員も
里帰りして広い家も家族だけになります。
夕刻からお袋は台所に立ちっぱなし。
正月の挨拶に来る職人さん、人形師さんに出すお節と
雑煮の用意です。
今は博多雑煮は鰤が主流ばってんがばおいしゃんの婆さんは
白身の魚や無いと脂っけが多かて言いよりました。
親父がつって来た鯛やらも雑煮の具に上がる年も多かったですね。

大晦日の夕飯はあり物で、お歳暮で頂いたハムにマヨネーズ掛けて
食べたり、後年では福寺飯店から中華鍋料理が届きよりましたけん
それが楽しみやったです。

年越しそばもアゴ出汁で頂きよりましたばってんが
インスタントラーメンが出始めた頃には物珍しさと
お袋の手抜きも合って「おじいさん食べたこと無いけん今年はラーメンで・・」
そげな歳もありました。

紅白歌合戦みて行く年くる年の除夜の鐘聞いたら親父が爺さんば
車に乗せて三社詣り、たしか筥崎さんと香椎宮に宮地嶽神社。
ついて行った子供の頃はもう車の中で熟睡でした・・

昔は大家族で元旦の雑煮も賑やかなもんでした。
朝帰りしたおいしゃんは朝から風呂の掃除させられよりました。
うちは正月に年寄から順番に朝風呂入りよりましたけん・・

正月は今のごとお店もどっこも開いてません。唯一玩具屋さんが
二日にお年玉目当てに初売りでした・・・
「元日は外に出るもんや無い」て言われとりますけん
二日に「暇やけんお櫛田さんにでもお詣りいこか~」
今のごとお櫛田さんは賑やかや無うてそれこそ本当の地元のもんが
三々五々お詣りするくらいやったです・・

さて、ここ数年は独りの正月ですばってんが
久しぶりに大晦日から三が日休みがとれました。
娘も元日しか休みは無いそうでゆっくり逢う暇もありません。

久しぶりにゆっくり年越ば楽しもうと思いよります。

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