こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

受験のためだけの学び

2006年10月26日 | 教育
http://www.asahi.com/paper/front.html

世界史は学んでおいた方が良いよお。
地球規模で、歴史を学ぶことは、
人間という生き物を知ることにつながる。

思想哲学や、宗教、科学、経済、法学・・・、
全ての分野に関わる学びですよ。
世界史を学んでないと、
何をするにも、了見が狭くなってね、困ったもんです。

なんでこんな事が言えるのかというと、
私自身が、学生時代に世界史を学ばなかったから。
もうすでに、私の高校時代には、受験対策のためのカリキュラムがしかれてあって、
ご多分に漏れず、共通一次試験で必要となる科目だけしか勉強しませんでした。
今回のような騒ぎにならなかっただけの話ですよ。

お坊さんの専門の勉強をするようになって、
初めて世界の歴史の必要性に気づき、
大慌てで勉強するも、時すでにおそし。
あれよあれよと言う間に、
押し寄せる課題につぶされて、
中途半端にやり過ごしてしまいました。

しかし、冬休み返上で単位を補充していくっていっても、
他の受験科目の補習だけでも時間が足りないくらいでしょ?
どうなるのかしら?
それに、世界史のおもしろさって、そのステージステージで展開する
物語を理解してこそ深みが出て来るってもんで、
暗記のための勉強や、とりあえずザーッとやり過ごす勉強じゃ、
はっきりいって、最初からやらない方が、
身体や頭のためには健康的だと思ったりもするのですが、
いかがなもんでしょ?ねえ。
グーグルの
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フォーラム「こころの過労にご用心」をおさらい④~誤解

2006年10月25日 | 仏教
おさらいの最後は、メンタルヘルスに満ちあふれる大きな誤解について。
多くの人たちが思いこんでしまっている大きな間違い。
それが、病気の発生要因にもなっているし、
病を悪化させてしまう原因にもなる。

 いわく、「健康な精神は健康な肉体に宿る」。
これは、一局面としては正しいこともあるかも知れませんが、
よく考えてみれば、とんでもない誤解。
心だって、身体だって、病気になる時はなるんです。

 いわく、「こころの病になるのは性格に問題がある」。

 いわく、「心の病は血の病」。

 いわく、「気持ちを強く持てば落ち込むことはない」。

 いわく、「弱った心には気合いを入れろ、気合いだ~っ!!」

などなど、他にもいろんな誤解や偏見が溢れています。

とんでもない話です。

心を病むことは、誰にとってもすぐそこにある危機なはずです。

私たちは、知らず知らずのうちに、このような偏見と誤解で

心病む人に接しています。これは大きな罪です。

御釈迦様は、「三毒」という人間を迷わせる根本原因を示されました。

その三つめが、痴(ち)です。

 本能、欲望、野心の言うがままの奴隷になっていることを
 気づかずに生きている煩悩という毒です。(無明)

 知らないという毒です。

 今回学んだことで、少しでも誤解と偏見をなくし、

私たちの迷いの原因と、心病む中にいる方々の苦しみが、

少しでも軽減されてれいくことを強く願います。

                    
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フォーラム「こころの過労にご用心」をおさらい③~うつ病

2006年10月23日 | 仏教
こころを疲れさせる原因には、大きく5つがあって、
ひとつには、「人生の大きな節目、できごと」。
これは、先日話した失恋とかもそうですね。あと、親しい人との別れ、
結婚式、離婚、病気やけが、引っ越し、会社で昇進・・・などなど、
日常の生活からちょっと突出してしまうようなできごとです。
このことを、「ライフイベント」とよびます。
このライフイベントをふたつ一緒にやらない!っていうのが、
病気を回避するための大切なポイントです。
講師の先生はこのことを何度もおっしゃってました。

ふたつ目には、「人に対する疲れ」。
対人ストレスですね。人間は人と人との関係性の中で
生きることのできる動物です。されど、ストレスの原因が、
実はその人間関係から発生する。

三つ目は、「ものに対する疲れ」。
家の建て替えをやるとか、借金を抱えているとかです。
対物ストレス。

四つ目に、「人生観的な疲れ」。
今やっている仕事が面白くない、とか、生きがいを何処にも見いだせない、
とか、学校に行くことに意義を見いだせない、とか、
これからの社会に希望が見えない、とか、何を信用していいのかわからないとか。
このような、人生観的な不満が原因として考えられます。

五つには、「過重な労働」。
残業や、次から次に課題や難題が押し寄せてくるような仕事。
こなしてもこなしても、なかなか報われなかったりと。
そんな労働で身体が疲れてしまうと、
必ず心にも疲れが出てしまいます。

以上のようなできごとから、こころの病気が発症してしまうんです。

しかし、日本って国は、古来より精神論を尊ぶ国柄で、
ま、アジア大陸全般でしょうが、
そんな国民の中には、「高い志があれば」とか、
「心を強くもってれば心の病にはならない」とか、
思っている人もいるわけです。
これは、大きな間違い。
風邪をひかない人がいないのと同じことなのです。
誤った精神論は、病気を悪化させます。気を付けましょう。

では、

うつ病かしら?と感じ取るための基準といいますか、
参考基準を示します。
うつは、別名「ナイナイ病」といわれるそうです。
まず、
1.「眠れない」。とても朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」もです。
2.「元気ない」。自分でも、なんか最近元気が出ないなあって自覚しています。
3.「食欲ない、性欲ない」。とりあえず食べるけど、砂をかんでるようだ。
   おいしく食べれない。異性への興味やSexに心が動きません。
4.「興味がなくなる」。これまで好きだったことが、したくなくなります。
5.「申し訳なく思う」。申し訳ない、すまないという気持ちが強くなります。
6.「動きが鈍くなる」。何をするにしても、行動が緩慢になる。
7.「集中しない」。物事に集中できなくなる。
8.「存在したくない」。最終的に一番怖いのが、もう生きたくないという気持ち。

これら8っつほどの項目の半分くらい当てはまるようであれば、
間違いなく病気だそうです。

 では、心の病気にならないためのポイントは何かというと、
最初に述べた、心の病を引き起こしてしまう原因、
これを排除すること、につきますね。

「ライフイベント」。人生の大きなできごとは、誰しも避けることはできませんが、
一時期に大きなイベントをふたつ一緒にやらないっていうことが大事です。
部長に昇格したと同時に引っ越しをしたりすることは避けましょう。

対人ストレスや対物ストレスに関しては、欲望のコントロールが必要ですね。
欲をかかない、「足ることを知る」生き方です。
これは、全ての原因に関係してきますけどね。

過重な労働は、避けるにこしたことはありませんが、どうしようもないときは、
心の切り替え、頭の切り替えができるよう努力することですね。
仕事をこなしつつ、心は安らか。(口で言うは安し!)

人生観的な不満は、不満の処理の仕方を替えていくこと。切り替えること。
コペルニクス的転換に挑戦すること。

・・・とまあ、いろんな話をされましたが、
最も大切なポイントは、

    ものの見方考え方を変えてみる。
       努力して替えてみる。

    「パーソナリティーの改革」にあるようです。

    ・・・御釈迦様の教えと一緒ですね。  



  







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フォーラム「こころの過労にご用心」をおさらい②~うつ病

2006年10月20日 | 仏教
「若いときには失恋の二つや三つ、大いに結構。大切な人生経験だよ!」
って思ったり、実際若い人にそんなアドバイスしていたりしません?あなた。
どうお?

確かに必要なプロセスであるんですが、失恋のあり方次第では、
とんでもない落とし穴があるようです。

失恋という事件が発生したときに、
自分の感情をすなおに発散できなかったりすると、
これが病気の引き金になると。

失恋の時、妙に恰好付けた別れ方をしたり、
相手の気持ちを優先させて
少しでもこの事態を早く処理しようと思ってしまったり、
自分自身を傷つけたくないって気持ちが強かったり、
変なプライドが強かったり、・・・。

これが落とし穴。

悲しいとき、悔しいとき、寂しいとき、腹が立つとき、・・・
そんな感情を無理に押しとどめることをしないで、
涙を流したり、汗を流したり、歌を唄ったり、文章を綴ったり、・・・
いろんな方法で表出ができないと、・・・・・まずいんですね。

あくまで目安ですけど、
失恋後、3ヶ月も4ヶ月もふさぎ込んでるようなら、
こころの病に陥っている可能性が大。

身内に不幸があると、四十九日間は喪に服す、って言うじゃないですか。
涙を流し嘆き悲しむ営みは、四十九日という時間の流れの中で処理するんです。
失恋の嘆き悲しみも、この時間を目安にされるといいでしょう。

失恋も親しい人との死別も、
四十九日の間に流した涙の量が、
その後の生活に大きく影響するようですね。





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フォーラム「こころの過労にご用心」をおさらい①

2006年10月19日 | 仏教
先日開かれた勉強会のおさらいをしておこうと思います。
まずは、現状チェックから。

●テスト/以下に記す問いに、○か×を付けて下さい。

1.体が健康なら、こころも健康。

2.こころを強く持っていれば、うつにはならない。

3.へこんでいる友人には、元気になるよう励ました。

4.子どもを亡くした親に、
「ご両親がそんなに落ち込んでたら、お子さんは浮かばれないよ」と慰めた。

5.リストラの夫が、「もう死にたい」ともらした。
「私や子どもが居るんだから死んだらダメ!」と説得した。

6.うつは、男の方が多い。

7.自殺の多くは、社会的原因だ。

8.統合失調症(精神分裂症)は遺伝性の病気である。

9.精神疾患は、特殊な性格や特殊な育ち方に起因する。

10.パニック発作は、気持ちが追いつめられたときに起こり、
   突然おとずれることはない。


・・・・さて、

どうでした?

○はいくつくらい付きましたか?

数えてみて下さい。
    ・・・
    ・・・
    ・・・


はい、 それでは、

上記の設問中、
○が5個以上付いた人:
世の中の常識に近い人です。はっきりいって
「間違いだらけ」です。
でも、へこむ必要はありません。
これから学んで下さい。

○が4個~3個の人:
ちょっとあやしげな理解者ですね。
学習を進めましょう。

○が2個~1個の人:
結構いけてます。
より一層の理解を深めましょう。

○が0個の人:
結構興味を持ってる人ですね。
全問正解です。





・・・とまあ、こんな導入で始まったフォーラムでありました。
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