こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

変化と癒し

2007年06月19日 | 仏教


「四季おりおりの季節季節の変化が著しいように、日本の人間の受容性は調子の速い移り変わりを要求する。だからそれは大陸的な落ち着きを持たないとともに、はなはなだしく活発であり敏感である。活発敏感であるがゆえに疲れやすく持久性を持たない。しかもその疲労は無刺激的な休養によって癒されるのではなくして、新しい刺激・気分の転換などの感情の変化によって癒される。癒された時、感情は変化によって全然他の感情となっているのではなく、依然としてもとの感情なのである。だから持久性を持たない事の裏に持久性を隠している。すなわち感情は変化においてひそかに持久するのである。 」

 

和辻哲郎の「風土記」の一文です。
先月の長崎新聞のエッセイに、
諫早市の図書館長をされている平田先生が
この一文を引用されながら、

「一日中ハンモックに横たわって本を読み、
何日も同じところに滞在して風景を楽しみ、
長期間豪華客船で船旅を満喫という
変化や刺激の少ないものでは癒されず、
~今は山中今は浜/今は鉄橋渡るぞと/
思う間もなくトンネルの~、でなければならない。」

と、日本人の具体的な習性をあげながら、
共感の弁を述べられていた。

変化や刺激によって疲労した後、
その疲労は違う変化や刺激によって癒されると言う。

しかも面白いのは、精神的な持久性に欠けているように見えて、
その実はしっかりと<変化においてひそかに持久するのである

日本人のしたたかさは、こんなところに由来するのかと
感心するばかり。
ともあれ、和辻の鋭い指摘は、
風土から生まれた各種宗教の必然にも及び、
結構面白そうです。

 

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男と女

2007年06月12日 | つれづれ
不条理に生きる女。

論理的な展開をしないと落ち着かない男。

・・・

う~む、このテーマを語るには、
まだまだ修行が足りませぬ。

だから、割愛!





(この記事の主旨がわからんと思われる方と、
何となくわかるよ、とうなずく方と、いろいろなんだろうなあ。)
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

品切れ中

2007年06月05日 | つれづれ
可能な限り、
明るく楽しく大らかに暮らしていきたいと、そう思う。

去年の手帳を何となくパラパラと読み返していると、
こんなメモがあった。

・・・はやれども 心静かに手を添えて

   外にもらすな 松茸のつゆ・・・

おそらく、どこかのトイレで目に留まり、
気に入ってひかえて置いたものだろう。

世の中には、標語や注意事項が山のように溢れているけど、
こんな文面だと、ほんと愉快だし、従順にもなれる。

ところで、

ここんところ、めっちゃくちゃ忙しい。
行事が重ならなかったからいいものの、
全く尋常じゃない。
文字通り、心を亡くしてしまう「忙」しさ。

やむなくお寺を留守にしてしまうこともしばしば。
そんな時、とても役に立ったのが、
玄関に置かれたミニ黒板の掲示。
・・・
   好評につき
   住職ただいま品切れ中!!

   午後3時頃、入荷予定。
   090-0000-0000
                ・・・
いつだったか、
ある大学の先生が推奨したユーモア事例を、
いささかもじって、
お寺用にアレンジさせてもらった。

これが結構評判を頂き、
せっかくご足労頂いた尋ね人も、
愉快な気持ちで出直してこられるようだ。

しかし、問題は第二弾をどうするか?だ。
この手のは賞味期限がある。
・・・さてはて・・・。

            乞う貴案!!


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マニグルマ

2007年06月04日 | 仏教
今回建立された厄よけ修行大師像の横に、
般若心経が彫り込まれた黒御影石の摩尼車(マニグルマ)も設置されました。

 摩尼とは、すべての苦厄を離れるという意味があります。
如意宝珠とも言い、宝珠には、災難を除く不可思議な力が。

 心身ともに清浄になれますよう、
心静かに念じながら、

・・・年齢の数だけお回し下さい。

年齢の数を回すのはたいへんだあ、と思われる方は、
バースデーケーキのロウソク方式にならってもいいでしょう。

・・・10歳で一回。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

厄よけ修行大師像 建立

2007年06月03日 | 仏教
5月31日に、厄よけ修行大師の石像が建立されました。
11月に予定されている晋山式の記念事業の一環です。
青御影石で彫られた丈6尺の立像です。
台座には、写経や写仏を納めることのできるスペースも兼ね備えています。

このお大師さまを拝顔するとき、
正面から拝みますと、とても厳しくけわしいお顔をなさっています。
ところが、
左側面から拝顔すれば、たいへん凛々しいお顔。
右側面からは、お口もとに微笑みのあるとても温かいお顔です。

仏像を拝むとき、
個人的な心理状況の違いで日々違ったお顔に感じられるますが、
そんなことも考慮に入れると、
このお大師さま、多様なメッセージを日々伝えてくれるに違いありません。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする