こんな事ではいけない

いけない理由は二つある。

この話を徳さんが知ったのは、Ｈさん本人からではなく、Ｈさんと親しい人との話からだった。
Ｈさんは最近あまり顔をみせなくなった患者さん。
でも、患者さんの重要な近況は知りたい。
たとえ、徳さんが役立たずであったとしても、、、。
患者さんとの関係造りに失敗している、という事だ。

尿意を感じるのだが、いざトイレに行くとおしっこが出ない。

これは、想像するだけでかなりつらい事態だ。

Ｈさんは、以前、腎臓癌で片方の腎臓を摘出してもらった泌尿器科専門の病院に行った。
様々な検査を受けた結果、そこでは異常が見つからなかった。

でも、症状は厳然としてある、、、。

なおも症状を訴えると、「もう、貴方はここに来なくていい」と言われた。

Ｈさんは別の総合病院を受診し、膀胱鏡で膀胱ポリープが発見され、手術を受けた。
今は、かなりの回復振り、と聞いた。

この時の、泌尿器科専門病院の対応はあまりにもお粗末である。

専門馬鹿が、なおも自らの専門領域を狭く限定して袋小路に迷っているのだ。
競走馬じゃないんだから、視界を限定する目隠しはいらない。

微視的なもの見る鋭い目と、鳥瞰的におおらかに状況を見る目の間を絶えず行き来するのが専門家の役割ってもんだ。

今回の話しで、もう一つ大事なことがある。

泌尿器科専門医が、この見落としを知らされてない事だ。



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