カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

脳性麻痺の筋緊張、呼吸困難なチーぼう

2013-02-03 18:29:30 | 本日の患者さん
おもしろ楽しいこと、喜びの類は人と共有できる。
しかし、辛いこと、苦しいこと、痛みなどは本人しか判らない事で、その感情や苦痛を共有できない。
その何十分の一かを勝手に想像するしかない。

チーぼうが初診でやって来た。
言葉が発せられないので、足の指で文字盤のカナを指して会話する。

「今、一番辛いことは何ですか?」
との問いの答えが、
「唇が鼻の穴を塞いでしまうので呼吸がしづらい」

一瞬、虚を突かれる。

話を聞いていくと、
最近前歯を抜いたのだが、口内の筋緊張が強いため、入れ歯は出来ないと歯科医から判断され、入れ歯無しでやっている。
すると、上唇の筋肉の緊張で上唇がめくれ上がってしまい、鼻の穴を塞いでしまうんだそうだ。
歯のあった今までは歯の存在が防波堤になっていたのだが、、、。
食事もかなり難しく、誤嚥との戦いだとおっしゃる。

脳性麻痺の筋緊張というのは本当に厄介だ。
不随意運動と云われ、本人の意思とは一切関係ない。
むしろ、本人の意思と反対方向へ、反対方向へと筋肉運動をもっていく。
緊張しないでと願えば、ますますその度合いを強める。
この時の、筋肉が収縮する力は、我々の日常の常識を絶する。

1立方センチメートルのサイコロ大の筋肉の塊が瞬時に収縮する能力は600kgの物体を動かすという。
運動神経というと、筋肉を動かす神経と思われがちだが、80%の神経は抑制性シナプス。
抑え込み、なだめる制御系が主人公。

その制御系の神経が周産期に何らかの事情で打撃を受けたのが脳性麻痺。

だから、付随運動による身体への負担は計り知れないものがある。
ある人は、自らの筋緊張によって、骨を変形させたり、関節を変形させたり、、、。
そして、チーぼうの場合は呼吸、嚥下を妨げている。

という次第で、そのことに関し、カイロプラクティック士としての徳さんに出来る事は何もない。
施療する側が、なるべくリラックスして、チーぼうのリラックスを誘導せんとするばかりだ。



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