カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

何か変!

2009-08-21 18:13:23 | 本日のしりきれとんぼ
夏期休暇のある日の午後、N君を見舞った。
ベッドの上で、体をくの字に曲げ、顔を横に倒したままビクともしない。
鼻や頚や胸からチューブが伸びている。
いわゆるスパゲッティ状態だ。
話しかけると意識はしっかりしていて、目で肯定や否定の合図を送ってくる。

看護婦さんが世話をしにやって来た時に事情を聞くと、N君は誤嚥で肺炎を起こし意識不明状態で病院に運び込まれたそうだ。

N君は重度の身体障害者で、都内の療護施設にしていた。
最近は障害が進み、日常の生活上の動きのほとんどが出来なくなっていた。
言語障害も強く、施設の職員との意思疎通も最低限のものになっていた。

そのN君の誤嚥については考えさせられた。

というのは、以前N君を施設に訪ねた時の事だ。
食事時間を充分に外して訪ねたのだが、N君は一人残されて自力食事に悪戦苦闘してた。
口に手を持っていくことさえ容易ではないN君は、辺りに食事部品を散り落としながら、フォークで食事を刺し、手を緊張で震わせながら口元に運ぼうとしている。
何回かに一回はフォーク上の食品が口に落ちるようだ。
その間、N君の顎は上を向いたっきり。
ゴクリという嚥下もN君には大事業。
もちろん、最終的には施設の職員が介助に入るのだが‥‥‥。

自分で出来るかぎりの事はやりなさい。
その上での介助はします。
というのがその施設の方針なのだろうが、徳さんは呆れてしまった。
マニュアルの落とし穴がここにある。
臨機応変でその人にとって必要な介助をする、という当たり前のことが出来なくなっている。

これじゃあ、誤嚥は必然だよなあ~。