アルコール依存症の治療を継続しているAさん。
言葉数も少なく、とてもまじめに見える彼は、断酒会にも関わったりしながら日々を過ごしている。
先日、深夜に救急で入院したとのことで様子を聞いた。
「…。お酒を飲んでしまったんです…」
「あかんやん…」
口をついて出てしまった言葉。
その後、彼は
「…その日、とてもイヤなことがあって…」
と申し訳なさそうにぽつりと言った。
しまった!と思った。
熱心に治療をしている彼が【つい】というのはよほどの理由があったのだろう。
理由はさておき、黙って聞いてあげればよかった。
「どうする?少し話をして帰る?」
「いや…10時までに行かないといけないから」
「イヤなことがあったら、独りで抱えないで、電話でもいいから話を聞くから、お酒以外の方法を考えよう」
彼は、クリニックのデイケアに向かった。
【ダメ】という言葉は簡単に言える。
糖尿病の治療においても、【ダメ】は禁句だ。
あ~私はまだまだ専門職としては未熟だなあ~