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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

戦争の傷跡は今も。

2009-02-05 21:00:30 | 戦争を語り継ぐ
高齢者の方の訪問を続けていると、徐々に生年月日が昭和の一桁の
それも後半に移ってきているのがわかります。

そのことで、何が変わってくるかといえば、戦争を体験した年齢が若くなると
いうことです。数年前までは男性では南方や中国に派兵された人の話が多く、
やがて、少年兵や女性の場合は女学生時代となり、
今では国民学校の高学年の方もいらっしゃるようになりました。
年齢では75歳くらいの方です。

この世代の方の戦争体験は国内で空襲に遭い親と死別し兄弟が離散した人がいらっしゃることです。
五木寛之氏、小田実氏、野坂昭如氏などの世代です。
少年時代にこのような体験をされた方の心の傷がその後の人生どのように影響したのか。
わかるものではありません。

想像を絶する体験だけに、話をお聞きすることもはばかれるのですが、
生活歴をお聞きするときなどについ触れてしまい苦しい時代の記憶を呼び起こし
謝罪することもあります。
この点は本当に注意が必要です。
気軽に話していただける方もいらっしゃるのも確かですが。
そうでない方も多いのです。

若年で戦争の悲惨さに曝された方々の苦悩は生涯続くものだということは確かです。
戦争は間違いなく、体験した人の一生に大きな影を残します。
影という生易しいものではないでしょう。
その内容については、ブログでは書くことはできませんが、家庭訪問することで
戦争の悲惨さを強く感じています。

本当に戦争は悲惨です。
語られている記憶などごく一部だと思います。

このことをどうすれば語り継げるのか。
「聴く」立場の人間の責任も感じています。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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語り継ぐこと (Maa-chan)
2009-02-06 01:19:53
 同感ですね。お年寄りと関わる仕事をしていると,必ず戦争のことになりますね。

 私が小さかった頃は,自分の周囲に当たり前のように戦争を語る人がいました。父しかり,祖母しかり,です。
 しかし,当然ながら人は亡くなっていきますので,だんだんと周囲から話をできる人が減っていきました。

 戦争の悲惨さを伝える書籍はたくさん出ています。でも書籍では伝えられない体験というものを,語り継いでいく作業を,誰かがやらなければならないと思っています。

 私たちは仕事柄「過去」にふれることが要求されます。もし時間と証言された方が許すのであれば,「証言集」のような形で残していくこと,あるいは「動画投稿サイト」とかに証言映像を残していくこと,等をやっていく必要があるのかな,と感じています。
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語り継ぐこと。 (岩清水)
2009-02-08 22:10:12
コメントありがとうございます。

聴いてしまったが、どのように残せるのか。
考え込んでしまいます。
大切な証言が残されることなく失われてしまい
そうです。
最近、訪問して方の戦中体験は貴重なもので
ご本人に「語り部」になってはいかがですかと
話しました。
私が収集するのではなく、ご本人が行動を起こすことができれば一番よいと思います。
ただ年齢が年齢だけに誰かの支援が必要です。
検討するに値することだと思います。
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