岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

少し両親の話をしよう。

2010-10-25 21:43:05 | ケアラーのために


定時過ぎに席を立ち、6時前に帰宅するのが私の平日のタイムスケジュールです。
自転車で4km程度ですから15分というところでしょう。

自宅の車庫に自転車を置くと、珍しく母が外を歩いていた。
どうしたのかと聞くと、
「歩けんようになるから」

母は、最近体調を崩す頻度が多くなった。
腰椎を痛めており足腰にしびれや痛みがある。
なかなか起き上がれない日もある。
しかし、すごいがんばりやで、家事をこなしていく。
なかなか主婦の座は渡さない(誰に)。

今日は雨だった。
二人とも気分がすぐれなかった一日だったようだ。

母は
「おとうさん、一日中腹が立つ、と言っていた」という。
これではいつも顔を合わせている母はたまらない。

確かに父は朝から機嫌が悪かった。
私が2階から下りていくと、
「なにをがちゃがちゃしているんなら。うるさい!」と怒られた。
母親もすでに怒られていたらしい。

父の朝食を準備していると、
「なにをしよんなら」と気分悪そうに聞いてくる。
「お父さんの朝ごはんをつくっているや。ごちゃごちゃ言わんでくれ」と切り返す。
(コーヒー、パン、目玉焼き、フルーツ程度です)

この後はいつも同じ。
「どこに行くんや」「働いとんか」
テレビを観ながら、テレビに「えらそうなこというな」とぶつぶつ言っている。

昼間は母と父が二人だけになるので、父が昼寝している時以外は大変だと思う。
帰宅後は、延々と質問攻めにあう。
「結婚しとんか」
「嫁はどこにおるんや」
「かえらにゃおえんが」

この繰り返しである。

そして、「わけがわからん」となる。

それでも楽しそうな日も多い。
そんな日は、
一日中、「おもしれーのー」と上機嫌である。

母にとっては、昔の話を聞いてくれる唯一の人間である。
二人で同じ話を繰り返し話しているのには付き合いかねるが、
ともに必要にしていることはよくわかる。

一日でも長く続いてほしいものです。

※写真は再現された「鬼ノ城」。天空400mにある。



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