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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【ドキュメンタリー】少年院の250日 その3

2005-06-27 10:08:24 | 社会福祉士
単独処遇5日目:命日の朝

前夜の少年の日記
 子どもの顔がより鮮明になった。
 可愛そうで涙がでた。
 こんな感情になったことはない。
 人間らしい感情をもてたことがうれしい。 
 自分も捨てたものではない。
 これまではコントロールされていると思った。
 僕をいい方向に導いてくれるのか。

 子どもから生かされている。
 いろんな意味で自信を持てる。
 気持ちを出していいんだ。

・・・・・・・・

少年院の運動会が行なわれた。ほとんどの父兄は参加するという。
一緒に食事や競技ができる。
親の愛情を強く感じる場面が多い。

<12月進級式>
 少年は1年8ヶ月で赤バッチ(最上級)をもらった。

教官は、少年に、両親へ話してほしいといった。
少年はいやがった。
教官は、このことが再出発には不可欠だと考えた。
失敗はありうる。教官の間でも意見は別れた。

そこで、何を話すかは、少年に任せることにした。

<家族寮での特別面接>
少年院の付属施設である。院の外にある。
ここで、家族3人で5時間を過ごす。教官は席をはずす。
両親は少年が自己表現できてきたことを感じていた。
10冊のアルバムを持ってきた。
ゆっくりと時間が過ぎる。

母親は料理を始める。
チャーハン、ステーキ、ポテトサラダ。

少年:ここに来てから自問した。
   なんであんなことをできたのか。
   普通の人とちがうのか。
   相談とか、全然できなかった(親に)。
   やるしかないという時、できるわけがないと思っていて  
   でも他の方法がなくて、そうすれば全部終る。
   いや、そうじゃなくて、もうまじめになるんだという
   気持ちがあって、心配かけないで生活しようと思い
   悪い知らせ(妊娠のこと)はしたくなかった。
   ここで崩れたら終わりだと思った。

父親:頭ごなしだった。反省したい。
   なんで気がつかなかったのか。
   サインが出ていたのか。気がつかなかった。

特別面接の後。
両親:伝えようとする気持ちをひしひしと感じた。
・・・・・・・・・

教官:いってみてどうだった?
少年:聞いてもらってよかった。

・・・・・・・・・
教官同士:もっと突っ込んではしいとは思うけれど、
     目的は今日一日で語ることではない。
     環境をつくることだな。

<出院時保護者会>
少年:発表 人間らしさ。家族の存在。離れていても近い。
   やっと気づくことができた。
   ごめんなさい。ありがとう。
父:支える。

2005年1月。
少年が、最後の作品に取り組んでいた。
獅子の親に子どもの獅子を背負っている。素晴らしい出来だ。

教官2:自信を持って前向きに生きることが償い。
少年:前はキレイごとと思っていた。

2005年3月
<出院の朝>
院内の廊下を少年は布団を持ち、教官は手荷物を持って歩いていく。

少年は両親の元に帰って行った。

教官は院外では、少年に接触をすることが許されていない。

終り





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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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償い (ぬれひよこ)
2005-06-30 00:14:49
長編版では少年の心理がより丁寧に追われていたようで、見逃してしまったのが残念です。

子どもを殺してしまった少年と教官の対話を読むと、罪の償いについていろいろと考えさせられました。殺した子どもに生かされて生きるというのは、本当に深い償いの道なんじゃないかと思いました。



(それから、私の無精ブログなんかに来ていただいてありがとうございます。)

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