単独処遇5日目:命日の朝
前夜の少年の日記
子どもの顔がより鮮明になった。
可愛そうで涙がでた。
こんな感情になったことはない。
人間らしい感情をもてたことがうれしい。
自分も捨てたものではない。
これまではコントロールされていると思った。
僕をいい方向に導いてくれるのか。
子どもから生かされている。
いろんな意味で自信を持てる。
気持ちを出していいんだ。
・・・・・・・・
少年院の運動会が行なわれた。ほとんどの父兄は参加するという。
一緒に食事や競技ができる。
親の愛情を強く感じる場面が多い。
<12月進級式>
少年は1年8ヶ月で赤バッチ(最上級)をもらった。
教官は、少年に、両親へ話してほしいといった。
少年はいやがった。
教官は、このことが再出発には不可欠だと考えた。
失敗はありうる。教官の間でも意見は別れた。
そこで、何を話すかは、少年に任せることにした。
<家族寮での特別面接>
少年院の付属施設である。院の外にある。
ここで、家族3人で5時間を過ごす。教官は席をはずす。
両親は少年が自己表現できてきたことを感じていた。
10冊のアルバムを持ってきた。
ゆっくりと時間が過ぎる。
母親は料理を始める。
チャーハン、ステーキ、ポテトサラダ。
少年:ここに来てから自問した。
なんであんなことをできたのか。
普通の人とちがうのか。
相談とか、全然できなかった(親に)。
やるしかないという時、できるわけがないと思っていて
でも他の方法がなくて、そうすれば全部終る。
いや、そうじゃなくて、もうまじめになるんだという
気持ちがあって、心配かけないで生活しようと思い
悪い知らせ(妊娠のこと)はしたくなかった。
ここで崩れたら終わりだと思った。
父親:頭ごなしだった。反省したい。
なんで気がつかなかったのか。
サインが出ていたのか。気がつかなかった。
特別面接の後。
両親:伝えようとする気持ちをひしひしと感じた。
・・・・・・・・・
教官:いってみてどうだった?
少年:聞いてもらってよかった。
・・・・・・・・・
教官同士:もっと突っ込んではしいとは思うけれど、
目的は今日一日で語ることではない。
環境をつくることだな。
<出院時保護者会>
少年:発表 人間らしさ。家族の存在。離れていても近い。
やっと気づくことができた。
ごめんなさい。ありがとう。
父:支える。
2005年1月。
少年が、最後の作品に取り組んでいた。
獅子の親に子どもの獅子を背負っている。素晴らしい出来だ。
教官2:自信を持って前向きに生きることが償い。
少年:前はキレイごとと思っていた。
2005年3月
<出院の朝>
院内の廊下を少年は布団を持ち、教官は手荷物を持って歩いていく。
少年は両親の元に帰って行った。
教官は院外では、少年に接触をすることが許されていない。
終り
前夜の少年の日記
子どもの顔がより鮮明になった。
可愛そうで涙がでた。
こんな感情になったことはない。
人間らしい感情をもてたことがうれしい。
自分も捨てたものではない。
これまではコントロールされていると思った。
僕をいい方向に導いてくれるのか。
子どもから生かされている。
いろんな意味で自信を持てる。
気持ちを出していいんだ。
・・・・・・・・
少年院の運動会が行なわれた。ほとんどの父兄は参加するという。
一緒に食事や競技ができる。
親の愛情を強く感じる場面が多い。
<12月進級式>
少年は1年8ヶ月で赤バッチ(最上級)をもらった。
教官は、少年に、両親へ話してほしいといった。
少年はいやがった。
教官は、このことが再出発には不可欠だと考えた。
失敗はありうる。教官の間でも意見は別れた。
そこで、何を話すかは、少年に任せることにした。
<家族寮での特別面接>
少年院の付属施設である。院の外にある。
ここで、家族3人で5時間を過ごす。教官は席をはずす。
両親は少年が自己表現できてきたことを感じていた。
10冊のアルバムを持ってきた。
ゆっくりと時間が過ぎる。
母親は料理を始める。
チャーハン、ステーキ、ポテトサラダ。
少年:ここに来てから自問した。
なんであんなことをできたのか。
普通の人とちがうのか。
相談とか、全然できなかった(親に)。
やるしかないという時、できるわけがないと思っていて
でも他の方法がなくて、そうすれば全部終る。
いや、そうじゃなくて、もうまじめになるんだという
気持ちがあって、心配かけないで生活しようと思い
悪い知らせ(妊娠のこと)はしたくなかった。
ここで崩れたら終わりだと思った。
父親:頭ごなしだった。反省したい。
なんで気がつかなかったのか。
サインが出ていたのか。気がつかなかった。
特別面接の後。
両親:伝えようとする気持ちをひしひしと感じた。
・・・・・・・・・
教官:いってみてどうだった?
少年:聞いてもらってよかった。
・・・・・・・・・
教官同士:もっと突っ込んではしいとは思うけれど、
目的は今日一日で語ることではない。
環境をつくることだな。
<出院時保護者会>
少年:発表 人間らしさ。家族の存在。離れていても近い。
やっと気づくことができた。
ごめんなさい。ありがとう。
父:支える。
2005年1月。
少年が、最後の作品に取り組んでいた。
獅子の親に子どもの獅子を背負っている。素晴らしい出来だ。
教官2:自信を持って前向きに生きることが償い。
少年:前はキレイごとと思っていた。
2005年3月
<出院の朝>
院内の廊下を少年は布団を持ち、教官は手荷物を持って歩いていく。
少年は両親の元に帰って行った。
教官は院外では、少年に接触をすることが許されていない。
終り
子どもを殺してしまった少年と教官の対話を読むと、罪の償いについていろいろと考えさせられました。殺した子どもに生かされて生きるというのは、本当に深い償いの道なんじゃないかと思いました。
(それから、私の無精ブログなんかに来ていただいてありがとうございます。)