ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

80歳の決意

2012-10-25 | ほとほと日記
石原慎太郎都知事が知事職を辞職して、国政に復帰する…というニュースには驚いた。

1968年に参議院の全国区で立候補して300万票以上を獲得してトップ当選したときは、36歳。

あれから44年経って、80歳の決意だという。

本人は、今回の決断を「諸般の事情があって」というように会見で説明したと言う。

内政外交とも激動の状況下、民主自民に次ぐ第三極を自ら立つことにより強い流れにしようと決意した…というのがもっぱらの見方かもしれない。

大阪に起きた新しい政党の勢いが伸び悩んでいるだけに、ここで自分が…という気持ちから、と。

私は老人ホームに勤めているせいか、「諸般の事情」とは、本人の肉体的状況が非常に大きいのではなかろうか…と邪推した。

石原都知事は精神・肉体とも実年齢に比して若いが、今日の会見の写真や映像を見ると、やはり老いの兆候は隠せない。

「今立たないと、もう間に合わなくなる」という感覚は、恐らく五十代の私には考えもつかないほど強くあるに違いない。

私は石原知事の政治的・社会的な言動には一貫して違和感を感じてきた。

しかし、「とにかく自分がやる」という今回の選択自体に対しては、否定的な気持ちにはならない。

批評家的なスタンスだけでは今後更に閉塞していく日本社会は決して変えられるとは思わないからだ。