ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

婿という立場

2012-10-24 | ほとほと日記
今日、一件入居があった。

もともとご自宅で一人暮らしをしていた方だが、ご長女夫婦といっしょに来園された。

ご長女は母堂のことであるから終始熱心に、三時間ほど滞在された。

ご長女のご主人は車を運転してきて、家具を居室に搬入するまでは張り切っておられたが、それが終わるととたんに所在なげになり、ついに「車に戻って待っています」と言って外に出て行かれた。

しばらくしてご長女がホームを出ると、ホームの駐車場に車はなかった。

ご長女はご主人に何度か連絡していたようだが、近くにいないようだった。


お嫁さんの場合、熱心に面会されたりいろいろお世話をされることはしばしばある。

しかし、お婿さんで熱心…という方にはついぞお目にかかったことがない。

まあ、男と言うものは仮に自分の親であっても「老い」を直視するのは苦手なものである。

まして、嫁の親に於いてや…というところであろうか。

私は婿になったことがないから、「義理の両親」という存在がいかなるものか、全く分からないが。

世界中「嫁入り」の風習は一般的なものだが、「婿入り」は何か特別の事情がある場合に限られる。

それだけ女性の方が「捨て身の強さ」を持っているのだろう…と、いつも思う。