ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

口腔手術

2012-10-09 | ほとほと日記
今日、二時間近く掛けて歯医者で口腔手術をした。

ここしばらく、歯の差し歯が何度も抜け落ちてていた。
歯科医師によると、差し歯の芯が折れてしまっているだけでなく、差し歯の芯を支える歯の根もいくつかに割れているということだった。根本的な治療を薦められた。

いつも丁寧に説明をしてくれる人で、今回もレントゲン画像や小型カメラによる写真で詳しく解説してくれた。
必要性は十分理解していたが、費用が掛かるのと口腔手術は脳に近い分怖さもあるため、タイミングを計っていた。

このところ心身の調子が安定していて、涼しくもなって来たので平日に連休をとって手術をすることにした。

歯根を完全に抜き取り、ボルトをドリルで骨に埋め、人工骨となる素材を隙間に投入し、歯肉をがんじがらめに縫合するというのだから、手術そのものである。
一般の手術と同じく、様々なリスクが羅列された同意書に署名し、医師も二人つく。

かなり出血したが、何とか無事に終わった。
歯根の周りの骨が完全に溶けていたため、大量に人工骨素材を入れたため義歯を被せるのは六ヶ月後だという。
私は手術中に撮影した写真を見せてもらった。かなり壮絶なものだが、見たほうが今後の生活に覚悟がつく。

老人ホームにいるおかげで、歯の重要性を痛感している。
歯の悪い高齢者は固形物が食べられなくなり、それは全身の栄養状態や認知力にも大きな影響を与える。

午後は疲れと緊張から眠ってしまった。
今日と明日は粥食で、運動も入浴も中止だ。


夕方、今年のノーベル生理学医学賞を受賞した山中京大教授夫妻の記者会見を見た。
あれだけの天才的な能力と圧倒的な業績を上げながら、全く奢らず、周囲に感謝している姿は素晴らしく、日本の誇りだと感じた。

私が老人になった頃には、山中教授の研究の成果が一般の臨床に生かされ、私たちも恩恵をこうむることができるかも知れない。

ボンヤリとした頭でふとそんなことを想った。