ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

時代の流れ

2012-09-07 | ほとほと日記
先日、私の勤めるホームを「高額有料老人ホーム」とブログで書いたが、このところ周辺に、もっと豪華なホームが次々とオープンしている。
ずいぶん時代が変わってきたなア…と思う。

私がソージャルワーカーの資格を取るために専門学校に通ったのは19年前だ。
そのころ老人ホームと言えば、決まって郊外か、さらに遠くにあった。
地元に老人ホームが建つ計画が起ころうものなら、「地価が下がる」などと言って住民が反対したからだ。
住宅地には簡単には建てられなかった。

それがいまや、地価の高い地域にポンポンと老人ホームが建設されていく。

もちろん一番のキッカケは、介護保険制度によって高齢者介護に一定の報酬が約束されたからだ。
そしてそれ以上に大きいのが、お金を持っている高齢者がどんどん増えたことだ。
お金があれば、人里離れた土地ではなく、子供たちががいつでも足を運べる場所に住みたいのは当然だから。


オープンして6年半経ち、「お金落ち」が入居するのは同じだけれど、とくにご家族の、気性というか、雰囲気というか、それが少しづつ、しかし確実に変わってきた。
最初の二年くらいは、おっとりして上品な「別世界」の人たちばかりだった。
世代のせいか時節のせいか分からないが、この一、二年は、ドライで「抜け目ない」感じの方がちょくちょくいる。
大金を支払っているのだから色々細かく要求されるのは仕方ないことだけど、なんだかちょっと寂しい感じもしている。